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永田小耳症形成外科クリニックと愉快な仲間たち

愉快な仲間たちの秘密の会話

小耳症に対する耳再建術は形成外科領域の中で、最も困難な手術です。17


なぜならば、形成外科領域の基本的手術手技の全てを駆使できるようになってから


ようやくスタート出来る分野なのです。


科学的にも、形態学的にも、最も複雑な要素を含む集合体の手術なのです。


昔から、「耳を制する形成外科医は、全ての形成外科を制す237。」


と言われてきたゆえんです。


 


小耳症と、一言で言いますが、その形態は個人により様々に、異なります。267


単純に形態の違いを分類しはじめると無限大になってしまいます。


でも、最終結果は正常な耳なのですから、


それぞれ形態の変化に応じた手術術式が必要となります。


 


ですから、手術術式も無限大となります。405


ここが、一般の形成外科医が理解に乏しい所なのです。


一度か二度くらい手術見学すれば、簡単にできるだろうと、誤解しているのです。


 


まず綿密な、術前の設計プランが必要です。


ミリメートル単位で、耳が何処にあるべきかを決定し、


患部にあるべき耳の形を1パーセント誤差範囲内で書き入れる事からはじめます。


これだけも非常に神経を要します。


 


かつて、日本形成外科学会で「科学的に厳密な精度の耳再建法」について発表した際に


当時、ある小耳症治療で有名だった教授から、


「どだい、ミリ単位で人間が耳をつくれるわけがないだろう?361。」とか


別の教授からは、「特別な個人しかできない方法をどうやって教育するのか?361」とか


「耳は立てなくていいのだ361」「そこまで細かく作らなくて良い363」などと、言われた。


若い医者を教育し、学問の進歩に貢献する義務を最も多く担うべきなのは、


それこそ、大学教授なのに、このていたらくは何なのだ。359


心の中で私は激怒したが、ググッと抑えて解答した。


「近代医学においては、


唇裂治療領域において、ミリメートルの誤差範囲で議論する時代となりました。21


しかし、小耳症の耳再建分野においては、いまだ、その次元まで到達出来ていません。


それは、小耳症患者の発生率が圧倒的に少ないから、治療経験も少ないので


進歩が遅れた。と言う事実のみならず、


唇とは比較にならないほど耳の形態は複雑で、組織欠損量も大きいのです、


、科学的にも形態的にも複雑な耳だからこそ、


当然の結果として


正常な耳を作ろうとすればするほど耳の再建手術は、複雑になるのです。21


この、複雑な耳を、あくまでも正常に正確に作れるように努力するべきなのは、


形成外科医以外に誰がいるのでしょうか?361


また、その進歩ために大学、大学教授がいて、その知恵を出し合う場で、


改革・前進・進歩がなされるはずです。


この日本形成外科学会はそのための場であり、


この目的にこそ、その存在意義があるのではないですか?361


と、あまりにも当然といえば当然の解答をした。


と言うより、あまりにも当然すぎるレベルの低い話を、


日本では大学教授でもない、この私が、しなければならなかった事実と


時間の無駄に腹が立った。41359


そして、今頃になってこれらの教授達の作った耳が


作り直しとなって続々と私のクリニックへ来ているのだ。


 


 2006年10月に行われた「アメリカ形成外科学会・」「サンフランシスコ」において、497


私はカナダ・シックチルドレン病院の教え子の医師達と共に


「小耳症手術」について、3時間ものインストラクショナルコースを行った。


そのときの聴衆だったアメリカ人教授達は


非常に前向きな質問をいつまでも熱心に私に浴びせて来た。21


私も喜んで前向きの解答をした。


有効な時間をすごせて充実していた。352


 


どちらの国が早くレベルアップするかは明らかだ。41


私は日本人なのに。496

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2000年メキシコで「顎顔面及び小耳症のシンポジウム」招待者


中央女性が、フランソワーズフィアミン・・・・フランス


向かって右へ


フェルナンド・オルティズ・モナステリオ・・・マヌエル・ゲア・ゴンザレス病院教授・メキシコ


永田 悟


向かって左へ


ジョセフ・マッカーシー・・・・・・・・・・・・・・・・・・ニューヨーク大学教授・アメリカ


フェルナンド・モリーナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・マヌエル・ゲア・ゴンザレス病院・メキシコ


マッカーシーの向かって左後に


ウルフ教授・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フロリダ・アメリカ


 


以前に述べた「メキシコ、元気なモナステリオ教授」です。


また、このシンポジウム企画者の一人・ジョセフ・マッカーシー教授は、


形成外科医なら知っている「マッカーシー形成外科教科書」を作りました。