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永田小耳症形成外科クリニックと愉快な仲間たち

愉快な仲間たちの秘密の会話

2004年7月、イギリス形成外科学会誌の、第一回編集委員会議が、


イギリス・アイルランド・ダブリンで、行われた。


編集長はセント・ジェームズ大学のサイモン・P・J・ケイ教授。


以前、イギリス形成外科学会誌は、イギリス人のみの編集委員で、構成されてきた。


が、サイモン教授が新しく、編集委員長に選出されてからは、大改革を行った。21


以前も、少し、このブログで述べたが、


大改革の目的は、この、ジャーナルのレベルアップあった。


そして、イギリスのジャーナルから世界のジャーナルへと変身することだった。41


そのためには、論文審査を行う編集委員の質の向上が、必要と、なった。


そこで、サイモン教授は、一度今の編集委員を全てなくしたうえで、


形成外科領域のあらゆる分野の、最先端と言われる科学者に取りかえる。


だから編集委員は、イギリス人に限らず、世界レベルで集める。91


人員数は30名程度とする。


と、提案した。


最初イギリス人の、猛烈な反対意見があったそうだが、31


粘り強いサイモン教授は、ついにこの方針を貫いた。


結局編集委員の構成は


イギリス12名・アメリカ4名・ドイツ2名・スウェーデン2名・オーストラリア2名・台湾2名


フランス1名・スイス1名・オランダ1名・ベルギー1名・ポルトガル1名・カナダ1名・


ブラジル1名・インド1名・スロベニア1名・南アフリカ1名・中国1名・日本1名


となった。


私が、日本の1名である。


 


今回の第1回編集委員会議では、さらにレベルアップするために、どうしたらよいか


あらゆる方法論を出し合った。


サイモン教授から、意見を求められ、


私は、「たとえ1例報告であっても、その中には将来の治療法に、


大きな革命をもたらすものがある。


編集会議でそのような重要性のある論文と判断した場合は、


アメリカの形成外科学会誌のように杓子定規にページ数を制限せずに、


何ページでも全て載せると言うように柔軟に、対応すべきだ。」と、解答した。


「良い考えだ。取り入れましょう。」とサイモン教授は答えた。そして、


「日本形成外科が、このジャーナルを日本の機関紙として使ってもいいのだが。」と


言ってくれた。41


日本形成外科学会誌は、インデックスメデックス上で、


世界に認められていない学会誌なので、スカンジナビアン・ジャーナルを


日本の機関紙として使っている。


しかし、インデックスメデックス上、スカンジナビアンジャーナルは、


0.2ポイントしかなく、いつ圏外へ転落するかも知れないのである。40


それに比べ、0.92ポイントを持つイギリス形成外科学会誌は、218


アメリカのについで2位と、ハイレベルなので、


日本にとっては将来とも良い話だ。19


そこで、この件を、帰国してから、日本中の形成外科大学教授へ


詳しい資料を付けて手紙で送った。


個人的に、何件かの返事がとどいたものの、


形成外科学会幹部の集まりの場で話し合った形跡もないし、やる気も無いようなので、14


私は、そのまま、ほったらかしにしている。78


 


そして、最近はイギリスのジャーナルへの世界からの論文投稿数が増加しており、


内容も充実して来た。237


サイモン教授の努力の結果が実を結んできたのだ。363


 


一方、スカンジナビアンジャーナルは、ますます薄くなって来ている。14


 

1998年、国際小耳症形成外科学会が、カナダ・レイクルイーズで行われた。


この時、培養軟骨の実験が、発表された。21


 


ネズミの耳の軟骨を外に取り出して、


人工的に作った培養液の中に入れて、培養し、軟骨細胞を増殖させて、


人間の耳の形になるまで、誘導し、


完成した軟骨を、ネズミの背中の皮膚の下に移植して、


人間の耳の形をネズミの背中に再建したと言う発表があった。


その報告の示す写真をみれば、


なるほど、確かにネズミの背中には、巨大な人型の耳が、出来ているではないか。405


素晴しい発表だ。すごい41。と、思った。


が、


たった、「2週間で、溶けて無くなった」との事だった。4038355356


 


現在、世界中の科学者が軟骨培養に、しのぎを削っているが、


世界の認める医学ジャーナルや、2006年アメリカ形成外科学会でも


まだ、人間に応用して成功したと言う報告は無い。267


 


現在、永田小耳症クリニックは、東京大学医学部倫理委員会の許可を受けた


東京大学医学部ティッシュ・エンジニアリング部が、


「小耳症患者さんの耳再建手術の際に、


小耳症の中にある本来は捨てるべく摘出した軟骨を用いて


人工的に培養増殖させる研究」の目的で、


患者さんの承諾を得た上で、いただいて、


手術日当日、東大から取りに来て待ち受けている専門家に直ちに引き渡し、


研究に用いさして頂く事に賛同し協力しています。22


 未来、夢の小耳症治療発展を願って。21


 


世界がそのような状況のなかで、2年前ごろに、大阪の病院から


「人工的に培養増殖した耳型の軟骨を小耳症患者に、移植した。363」との報告が、


日本形成外科学会で、あったのです。140


 


私は、この2年間、海外からの学会招待が忙しすぎて


国内学会を欠席したため、その、発表を見ていないのですが。


 


この治療を人間に応用する前には、


他の人間に近い動物での、基礎実験を行い、


移植した培養軟骨が溶けずに何十年も保ち続けると言う事を確立させ、


さらにその安全性をも確認してから後、初めてようやく人に応用すべきですが、267


 


もしこれを怠り、見切り発車してしまったとしたならば、


そして、その耳が溶けてしまったならば、


それは、医の倫理に反する事になります。26359


その病院での倫理委員会もその委員も犯罪となります。


 


 


その後、この患者さんがどういう経過をたどっているのか?361


日本形成外科学会は、社会に対する公的な立場としても、


厳しく監視する義務と必要があるのです。363


また、それを報告した医師は、責任上、包み隠さず、毎年、科学的な経過報告を、


世界に認められたジャーナルに報告するか、


もし、それが倫理上の問題で世界のジャーナルから


認められなくてアクセプトされなかったならば、


日本形成外科学会誌に詫び状とともに報告すべき義務があるのです。


その際、学会としては、なんらかの処分を出すことになります。


 


責任ある科学者として。


うやむやにする事は、決して許されません。364


今後の医療のためにも。416