FC2ブログ

永田小耳症形成外科クリニックと愉快な仲間たち

愉快な仲間たちの秘密の会話

埋没耳にも程度がいろいろある。


耳の軟骨の形がほぼ正常であれば、


しかも生まれて2週間から3週間以内であれば


器具を取り付けて耳を引き出して癖をつける方法がある。


しかし、生後半年以上にもなると、手術法しか方法は無い。


また、耳の軟骨の形が不完全な場合は手術法しかない。


手術は全身麻酔下に行われ約2時間である。


入院を要す手術である。


埋没耳も耳の軟骨が発育不全の場合は、


小耳症と同じような肋軟骨移植術が必要になる場合がある。


このような場合は、モハヤ小耳症と言う病名となる。


 


器具だけで治せる埋没耳は、むしろ、限られた程度の軽い場合だけで、


しかも生後まもなくの場合だけに限られる。


 


手術せずに治せるケースはむしろ少ない。


耳の治療の専門医にかかり、判断を仰ぐ事が必要だ。


 

昨日の14時間の手術のおかげで、今朝から体の節々が痛い。


包帯交換を1時間かけて行った。


今日は日本形成外科学会が行われているはずだが


行く暇も無い。


入院していた半年前に耳の作り直しをし


今回、耳立て手術をした患者さんが本日退院した。


晴れ晴れとした顔をしていた。


入れ替わりに


午前中に明日の耳立て手術の患者さんが入院された。


明日のために、髪の毛を散発したり、


看護士さんは色々な準備をしなければならない。


明日も明後日も小耳症の8時間手術が待っている。


 


 

DSC03157.jpg


上の写真は、今日の小耳症作り直し手術の術前の状態である。


都内某有名大学病院で手術されたものの、


耳の上3分の一が融けてしまっている。


耳珠は作られてもいない。


耳甲介部と、耳の後ろには色の異なる皮膚が移植されている。


タンザーもどきの手術を行ったからこうなったのだ。


血行の不足する組織でカバーされていると、このような結果となる。


従来法で手術された患者さんは、長時間たつとこのような結末となって


再々建術を必要として来院される。


患者さんは、大変なのだ。


DSC03159.jpg


上は厳密に正常な耳の位置を決めるデザインをしているところ。


これが最も重要な作業となる。


DSC03158.jpg


術前のデザインを示す。


浅側頭動静脈の血管膜を必要とするため側頭部を切開する。


DSC03160.jpg


左は摘出した融けた肋軟骨フレーム。


耳の外側上方が融けた部分。


真ん中は、今回新たに作成した「永田法の3次元肋軟骨フレーム」。


フレームの形が全く異なる点に注目。


右は型紙。


DSC03161.jpg


それぞれを、裏から見たところ


DSC03162.jpg


浅側頭動静脈の血管膜を起こしたところ。DSC03163.jpg


もともとあった生きた皮膚で耳珠および、耳穴、耳甲介、耳垂の一部をカバーした。


永田法3次元肋軟骨フレームを移植し、浅側頭動静脈で、立体的にカバーした。


上の赤いところ。


それをカバーするために、頭から皮膚を薄く取る。


DSC03164.jpg


さらに血管膜の上に、頭から非常に薄い皮膚を採皮して、移植した。


この皮膚の色は耳と同じ色になる。


皮膚を取ったところ「頭の赤いところ」は


かすり傷で浅い傷なので治って髪の毛が生える。


これで、頭にくっついた耳が完成した。


手術時間は14時間5分だった。


半年後に、腫れが引いてから、耳立て手術を行う予定だ。



その1

このブログの写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

小耳症手術による合併症
一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎
縫合不全 ハゲ 床ずれ その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。


その2

このブログの写真は耳介形成術をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

耳介形成術による合併症
 感染、 縫合不全 その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。