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永田小耳症形成外科クリニックと愉快な仲間たち

愉快な仲間たちの秘密の会話

歳をとると、あらゆるところが、

重力で垂れ下がってくる。


特に、骨や軟骨の支持組織の無いような、

軟部組織部分から下垂してくる。

その、スピードは人によってやや異なるものの、

だれしも、長生きすると、いずれは、下垂という事からは、免れない。


栄養と、適度な運動を行って、健康である事が、

最も、そのスピードを遅らす事が出来る。


ひとたび、健康を害すると

老化が早く進行する。


だから、まず健康第一だ。
世界は一つで、意外と狭い。

いや、有機的につながっている。


中国やインドが、石油を急速に輸入し始めたら、

世界中の石油の値段が、たちまち、うなぎのぼりに上がった。

ブラジルで、とうもろこしを、発酵させて

アルコールを生産し、石油の代わりとして使っていたら、

早くも中国は、それをも輸入し始めた。


とうもろこしを食料として売るよりも、

燃料としたほうが高く売れるので、

アメリカも当然同じ事を始めた。


大豆畑が、トウモロコシ畑に変わったために、

大部分をアメリカからの輸入にたよっていた日本の大豆の値段も

急上昇。

だから、豆腐も納豆も高くなってくる。

とうもろこしを原料とする主食を食べているメキシコでも

主食の値段が急上昇。

テキーラも当然高くなっている。

とうもろこしを食べて育つ牛の肉も、高くなった。


その、あおりを直撃するのだから、

地球は狭い。







午前中は、包帯交換を予定通り済ますことが出来た。

昼食後は、外来だった。


小耳症の術後経過を

見せに来られた患者さんを診察して一息ついたところで、


初診の患者さんが家族と共に来院された。

1時間以上の説明の後、

手術予約を取って、お帰りになった。


今、ようやく仕事が終わったところだ。

明日は小耳症の

肋軟骨移植手術予定となっている。
先月ボルチモアで、アメリカ形成外科学会があり、

私は「小耳症教育コース」を行うためにワシントン空港へ到着した。

そこで入国時には、外国人は、指紋と顔写真を取られた。

もちろん私もだ。

気分が悪かったが、

テロ防止のためという事だ。


最近のニュースで、

アメリカについで、日本でも

外国人に対して入国時には、指紋と写真を撮るようになった。


つい7年位前には、

指紋を取ることは人権侵害に当たるということで、

随分の闘争・討論があり

外国人から指紋を取ることは、禁止となったばかりであった。


それなのに、また、いつの間に

このように法律が改正されてしまったのだろうか?


日本国民には事前に、告知されていなかった。

よくもこんなに、ころころと法律が変えられるものだ。
2002年、7月号、アメリカ形成外科学会誌

[Plastic and Reconstructive Surgery]

VOLUME110.NUMBER1.JULY 2002 の

234ページから249ページまで、

形成外科医の教育用の論文[CME]として、

シカゴ大学教授、Robert L.Walton の、論文が記載されている。


タイトルは、

「Auricular Reconstruction for Microtia ,

PartⅡ.surgical Technique」

翻訳すると、「小耳症耳介再建・パートⅡ、手術手技」

となる。


序文には

「In this review the two most commonly used Techniques

for ear reconstruction,the Brent and Nagata techniques

,are adressed in detail.」

と書いている。


翻訳すると

「[世界で、]最も広く使われている耳の再建法は、

ブレント法と、永田法との2つの方法がある。

ブレント法と永田法の2つの方法について詳細を述べる。」


と言う書き出しで、


両者の違いを、写真入で、詳細に述べている。

そして最後には,[Self-Assessment Examination]

として、「永田法と、ブレント法との違い」が、理解できたかどうかの

テスト問題が、記載されている。


現在、アメリカを始めとした英語圏の国の

形成外科医の専門医取得のためのテスト問題として、

この問題は出題される内容となっている。





学会で、討論されている事などは、

患者さんに情報が正しく行き渡らない。


しかし、患者さんは、本当の情報を知りたがっている。


特に、学閥などの政治が絡む事が少ない

真の科学的討論が行われる学会は、

どうしても、世界的な規模の学会となる。

これらは、国外で行われることが多い。




これらの国際的な学会の情報こそ、

最先端の治療法となる。


ある程度以上のレベルでないと、発表すら出来ない。

日本人が発表できる人数は、ほんの一握りしかない。


この一握りの人は正しい情報を報告し

正しい科学情報を、伝えなければならない。

この情報は、医師にとってのみではなく、

患者さんたちにとって、正しい情報知識が身につくことになる。



科学を、正しく伝えてこそ意味がある。






小耳症は、どこで成長がストップしたのかにより

色々な形態が、あります。

だから、それこそ、ケースバイケースの手術が必要となります。

厳しいローヘアーラインの人には、

髪の毛が生えないような耳を作るためには、最初から、

頭から血管膜を起こして使う必要があります。

さらに、2回目の耳立て手術では、

耳の後ろに、肋軟骨移植で支えて立て、それを生かすため

だけでなく、血行の補強のために、

2枚目の血管膜を必要とします。



ローヘアーラインでない通常の小耳症では、

皮膚の下に、肋軟骨フレームを、移植して耳が作れるので

2回目の耳立て手術で、1枚目の血管膜を使います。


このように、ケースバイケースで、

小耳症と言っても、全く、その術前形態が異なるのに、

同じ形を再建しなければならないので、

違った手術になるのです。



厳しいローヘアーラインのケースなのに、血管膜を使わずに

髪の毛が生えない耳は作れないのです。


移植した肋軟骨が、長年とける事が無い目的でも

血管膜が必要なのです。


何かあった時のためにといって、血管膜を使わずに残しておくと、

作り直しが必要となり、それこそ本末転倒なのです。

正確な手術を行えば、頭に禿を作る事も無いのです。




私は、開業医であり、

日本では、学会の幹部でもなければ、教授でもありません。

だからこそ、学閥や、政治などに関しても無縁で

出世など考える必要もありません。

失うものも無い立場です。

だから、むしろ、本当の科学を語れるのです。


しかし国際的には、日本より形成外科の先進国の

アメリカやイギリスの学会においては、

小耳症治療法の開発者として、

また、教育者としての立場がありますので、

患者さんには、正しい科学を提供しなければなりません。

ただそれだけなのです。




今日の午前中は、

小耳症の肋軟骨移植手術を行い、

退院する患者さんを診察し

次回の耳立て手術の予定を決めた。


また、明日の肋軟骨移植予定の患者さんが入院する。

午前中、入院ベットの患者さんの

包帯交換を済ませたいと考えているところだ。
カリスマ性がある人だ。と、いう表現がある。

たとえば、今年亡くなったイタリアのテノール歌手、

「ルチアーノ・パバロッチ」。


イタリア人の形成外科医に聞いても、

「パバロッチ以上に、声が素晴らしく、

カリスマ性のあるテノール歌手は、2度と出現しないだろう。」

と言う。


その道を、完全に理解し、

人には無い天才的才能があり、

その才能に極限の磨きをかけ、

新たな自分独自の表現方法を、見出した人が行う技を見る時、

その人にはオーラが輝いて見える。

正に、カリスマ性があるのだ。



簡単に真似をしようとしても出来ない。

皆が、尊敬の念を抱く人物だ。



他の人にパバロッチのように歌えるように、と

教育したとても、このような高度レベルに

到達させる事は、不可能だ。



教育しても、簡単に到達できる領域ではない。


何十年か、天才的才能がある人物が見つかるまで

待つ必要がある世界だ。



こんな世界は、小耳症手術にも、ある程度

共通する点がある。

立体的創造イメージが、自由に湧き出し、

それを実現できる芸術的才能が、天才的になければならない。

だから、

同じように学んでも、

出来るようになる人は、非常に限られている。


しかし、技を正確に伝えておかなければならない。


だから、才能ある人物を発掘して

世界中を、教育しなければならない。

そのうちで、出来るようになる人が、少ない領域だからこそだ。