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永田小耳症形成外科クリニックと愉快な仲間たち

愉快な仲間たちの秘密の会話

この12月は、なぜか、


困難なハードな手術が多く集中して、


あまりにも忙しくなり、


ブログの更新数が減ってしまった。


 


来週も、再来週もまた、


長時間手術が、目白押しとなっているために、


手術の状況を示すだけで、また精一杯となるかもしれない。


 


とにかく12月28日までは、忙しく手術しています。


 

耳は3次元的に、複雑な形をしている。


耳の軟骨の複雑な形を、それと全く同じように3次元的に生きた皮膚が覆っている。


 


小耳症手術の場合は、


4本の肋軟骨を用いて、削ったり組み合わせたりして


耳の形の3次元肋軟骨フレームを作成し、


これを、皮膚の表面積が、


3次元的に、ぴたりと一致して


しかも、生きた皮膚のままで、カバー出来なければならない。


 


皮膚の表面積が不足する場合は、


肋軟骨フレームと皮膚との間に、


特に陥没部に、密着しない空間が出来る。


 


移植肋軟骨フレームを生かすためには、


生きた血の通った皮膚で、多い尽くさなければならない。


 


血の通っていない肋軟骨の上に


直接、体のほかの所から持ってきた血の通っていない皮膚を,移植しても、生着しない。


 


正確な立体構造の3次元肋軟骨を作成する事も、


それを同じ形の生きた正しい皮膚表面積でカバーする事も、


両者とも、非常に困難な事である。


 


特に、そもそも、耳が小さい状態が、小耳症であるので、


正常皮膚の表面積がもともと不足しているのだ。


 


通常の耳垂残存型小耳症では、どんなにがんばっても


そこに存在している皮膚の表面積は、耳の表をカバーするので、精一杯なのだ。


 


だから、2回目の、耳立て手術が必要となっている。


 


ましてや、


ローヘアーラインや、無耳症では、耳の表をカバーする皮膚の面積ですら不足している。


だからこのような症例では、全く別の手術が必要となる。


これらを即座に見抜けないと、とんでもない結果が待っている。


 


術前の形態がそれぞれ異なっているのが小耳症なので、


それぞれの形態により、


手術法が、皮膚の表面積を獲得するために


応用をきかした千差万別の方法となることが当たり前なのだ。


だから、困難な手術となっている。


 


 


 


 

今日は、オーストラリアから


はるばる小耳症の作り直し目的で当院に来られて


手術を行った患者さんが、めでたく退院となった。


 


アメリカ合衆国で、かつて手術を受けたものの、


不幸な結果となってしまったために、


アメリカの小耳症手術の第1人者であるカリフォルニアのブレント医師の診察を受けたが


「作り直しは出来ない」と、断られた経緯がある患者さんだった。


 


良い形の耳に生まれ変わって、患者さんは非常に喜び


元気に帰って行った。


 


オーストラリアは、今、夏なのだ。


 


半年後に耳立て手術を予定している。

読売新聞に、医師の過労死問題が記事となっていた。


連続当直勤務で


心臓疾患や、くも膜下出血で死亡する医師の問題がクローズアップされている。


私もこれまで、長年当直勤務をしてきて、


よく生きているナーと感じることがある。


 


今、問題となっている事は


医師不足が背景にあり、


モハヤ医師の、サービスによる当直は、望めないと分析していた。


当直の後は、休みにするように決めた自治体も出てきたそうだ。


もし休めないときには、次の日の勤務は、


時間外の手当てを出すようになっている所があると書いてあった。


そして、そのようなことを推進すべきだ、というように書いている。


 


しかし、このようにすると、今の医療保険システムでは、


裕福な自治体などの補助が得られない限り、


大学病院をはじめ、全ての病院が倒産するだろう。


 


なぜなら、保険点数が安すぎるからだ。


現在、医療崩壊は、それが原因で進んでいる。


この、8年間で、医療費の削減が2回も行われて来たからだ。


 


今後、老人の数がますます増えるから、医療費が増える。


だから医療費を減らさなければならない、と読売新聞は書いている。


とんでもない話だ。


 


老人が増えて、病人の数が増えるのに、医療費を減らせば、


一人当たりの手厚い医療を、


粗雑な医療にせざるを得なくなるのは目に見えた事だ。


老人を馬鹿にしている。


 


病人が増えたら、医療費を増やすのは、当たり前だろう。


誰が考えても、この当たり前なことがわからない国やマスコミは


頭が悪いとしか言えない。


 


老人が増えて、病人が増えるから、


医療費が増えるという事は最初から人口ピラミッドを見れば予測できた事だ。


 


医師不足の上に、病人は増える。


それなのに医療費を削減する。


一人当たりの医療費が安くなる。


 


病院が、同じ金額を得るために、


医師は、さらに忙しくなり、


過労死が増える。


 


死にたくない医師は、忙しくなった病院をやめざるを得なくなる。


すると、残った医師たちは、しわ寄せで、さらに忙しくなり、悪循環に落ちる。


医師不足となった病院は倒産する。


 


住民は、医療崩壊で、遠くまで病院を探す事になる。


医療崩壊と、国民健康崩壊とが同時に起きようとしている


その原因は、


モハヤ、安全な医療を維持するのに必要な限度を超えた度重なる医療費削減にある


 


読売新聞は、


もっとその点まで深く掘り下げて取材すべきだ。


 


先進国のなかで、医療費がGDP比で、最下位となった日本なのだ。


知っているくせに。


 


国民の健康を守れもせずに、


海外へ国民の税金を大量に使うべき余裕など無いはずだ。


 

今月も半ばが過ぎようとしている。


あと2週間もすれば、2008年となってしまう。


来年は、どんな事が待ち受けているのだろうか?


 


今年の、一年の結果が来年に結びついている。


毎年いつも、そんなことを感じながら年の瀬をすごしてきた。


 


そういえば、


オーストラリアから耳の作り直しのために入院していた患者さんが


無事、明日退院となる。


半年後には耳立て手術だ。


 


また来週は、韓国からの患者さんが入院予定だ。


ますます、患者さんの国際化が進んでくるようだ。