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永田小耳症形成外科クリニックと愉快な仲間たち

愉快な仲間たちの秘密の会話

よく耳の細かな形の事を、


メールで問い合わせてこられる方がいる。


が。


耳の細かな解剖名を知らない素人の方の表現ではイメージに限界がある。


折れ耳と患者さんが言っていても、実際に診察してみたら立派な小耳症の場合が多い。


 


外来の診察は、その日行っているかなどといった質問ならば答えられるが


3次元の耳の形態を、診察なしには、答えられない。


 


残念ながら、形態を正確に表現できるために、言葉は適さないのだ。

迷惑メールが多く来て困る事がある。

このブログのコメントにも、業者からの迷惑宣伝コメントがはいる。

そのたびに、消してはいるが本当に疲れる。

今日はそれに対して良いニュースがあった。


迷惑メールに対する罰則が強化される。

読売新聞によると、

特定電子メール送信適正化法改正案が出されたとの事。


送り先の同意なしに広告宣伝のメールを送りつけた業者に対する罰金の上限を

現行の100万円から3000万円に引き上げる。

この法案は今年中に施行を目指しているという。


喜ばしい事だ。

迷惑メールが減少する事を望んでいる。

私は昭和53年3月に鳥取大学医学部を卒業し、


昭和54年東京大学医学部形成外科に入局しました。


形成外科学教室として日本の大学病院に最初に独立した科となったのが東京大学でした。


当時は、福田修教授が小耳症に対する耳介形成術を、


波利井清紀助教授がマイクロサージャリー手法での組織移植による再建手術を行っていました。


私は体表のあらゆる再建手術を一通り経験した後、


小耳症に対する耳介再建術に没頭するようになりました。


 


小耳症というと、一般にはあまり聞かれない疾患名ですが、


先天的に耳介が欠損している状態を指します。


外耳道は存在していない場合が多いのですが、


存在する場合もあります。


いずれにしても伝音難聴を伴っています。


第1第2鰓弓症候群で、顔面半側萎縮症を伴っていたり、


耳の存在するべき場所にまで髪の毛が低く生えているLow Hair Line を


合併する場合もあります。


又、トリーチャーコリンズ症候群に、小耳症を合併する場合もあります。


耳介も外耳道も全く存在しない場合は、無耳症と言います。


胎児期初期の器官形成期にどこで発育が停止したかにより、その形態は様々で、


無限大となります。


いずれにせよ耳介が欠損している先天性疾患です。


6000出生に一人と言う極めて稀な疾患です。


 


具体的に、小耳症患者発生数は、日本中で毎年たった100名程度です。


そのうち20名が両側小耳症です。


患者数は少ないものの、小耳症に対する耳介再建手術は、


形成外科分野の中で、手術難易度が最も困難とされる分野です。


そもそも耳という形態が体表の中で、最も複雑であるからです。


完全な耳を作る事は不可能とされてきたのです。


ですから耳再建に関する論文は


世界に認められたインデックスメディックスに記載されているものだけでも


400以上も存在していました。


その主な手術法は自家肋軟骨移植を用い、


6回もの手術を必要とする1959年に報告されたTanzer[タンザー]法や、


4回の手術を必要とする1980年代に報告されたBrent[ブレント]法などが、


世界中で行われてきました。


しかしなお、それらの方法を完全に行っても


正常と同じ細部構造の全てを再建する事は決して出来ませんでした。


 


私は、1980年代初期より耳再建術に取り組み、


2回のみの手術で、完全な細部構造の全てにいたるまで


耳介が再建可能な方法を開発しました。


1987年、国際形成外科学会に報告、


まず、1992年、1993年と、7論文をアメリカ形成外科学会誌に報告しました。


特に1993年2月号には4論文が巻頭から60ページに渡り掲載されました。


60ページもの論文を一冊の号に特集号のように載せたのは、


アメリカ形成外科学会誌が始まって依頼初めての事だと、


編集長であるハーバード大学ロバート・ゴールドウイン教授からの手紙が届きました。


その後、当時は70歳を超えていたあのTanzer氏から、


「おめでとう、今後世界の耳再建のためにリーダーとして尽くすように」との


励ましと温かみのある手紙を受け取りました。


その後は、欧米をはじめとして世界中から


招待公演やデモンストレーション手術の依頼が毎年3回以上も続くようになり、


ある年などは、あまりにも依頼が多すぎたため、まとめて1ヶ月かけて6カ国を


世界1周しチームとして手術器具を持ってキャラバン隊のように


手術及び講演旅行をした事もあります。


私が教育しているところは世界中ですが、


Visiting Professor や Adjyunct Professor となっている大学は


カリフォルニア州立大学アーバイン校、アルバータ大学、ロッテルダム大学、ミラノ大学、


メキシコゼネラル大学、トロントの子供病院、セントジョセフヘルスセンター、


ダラスの国際頭蓋顎顔面外科財団唇裂口蓋裂センター、などとなっており、


台湾チャングン大学は定期的な指導を行っています。


2005年には、アメリカ合衆国で発行された形成外科テキストの、小耳症部門の


執筆を依頼されました。


また、英語圏の形成外科専門医師テスト問題にも「永田法」が出題されるようになりました。


2006年、2007年とも、アメリカ形成外科学会において、日本人ではただ一人、


3時間の耳再建のインストラクショナルコースを行いました。


2007年6月には、ドイツでの国際形成外科学会で、耳再建のパネリストを行い


2007年10月には、イギリス形成外科学会後援の国際耳再建学会で


デモンストレーション手術及び、キーノートスピーカーを行いました。


今年もアメリカ形成外科学会においてのインストラクショナルコースを依頼されています。


私は、2005年11月15日より、埼玉県戸田市に、


「永田小耳症形成外科クリニック」を開業しました。


国内外からの医師の見学者も多く、海外先進国の一流大学からの留学生の形成外科医


を教育しながら小耳症手術を毎週3例ずつ途切れることなく年間を通じて行っています。


患者さんは日本全国から来院されています。


手術時間は8時間かかります。


一度大学病院の形成外科デ手術されたものの不幸な結果となってしまった耳の


作り直し手術が最近は増加するばかりですが、再々建手術は10時間を越す大手術となります。


耳は、10歳で再建しますので、10年先まで今から夏休みや、冬休み、春休み、などは


予約が詰まっている状態です。


さらに海外からの小耳症患者さんも、次第に当院へ来られるようになって来ました。


ベット数は15ベットで、大部屋でも4ベットですから患者さん同士は離れており


院内感染はまだ一度もありません。


顔面半側萎縮症を伴うような小耳症の場合は、麻酔の挿管が困難な症例が多いのですが


麻酔医は、以前は、スタンフォード大学助教授で、現慈恵医科大学主任教授である


上園昌一教授にかけていただいており、気管切開を行った事は、一度もありません。


手術による出血も低血圧麻酔であるために、最小限ですみます。


又、両側小耳症で、伝音性難聴を伴う患者さんの場合は、私が耳を再建した後で


アメリカのバージニア大学耳鼻咽喉科のRobert  Jahrsdoefer 教授に


患者さんを紹介しており、手術を受けて帰った患者さんは、


10年間つけていた補聴器をはずして日常会話が可能となっています。


補聴器をはずして聞こえるようになる確立は97パーセントを超えています。


その後で耳立て手術を行っています。


又、顔面半側萎縮症を伴う患者さんは、顔面成長が止まる17歳になってから、


台湾のチャングン大学形成外科のユーレイチェン教授を紹介して


世界最高レベルの手術を行ってもらいます。


いずれの患者さんにおいても、希望される患者さんには、


世界最先端レベルの手術が行えるようにルートを作っています。


小耳症は、形成外科領域における学問の巣窟でもあり、


私は、欧米各国の一流大学を教育し、


イギリス形成外科学会誌においてもEditorial Adovisory Board Member として


世界の論文審査を行い学問の進歩に一役買っています。


まさにある意味で、一クリニックの院長に過ぎない私ですが形成外科分野、


特に小耳症においては


大学院大学を超えるレベルの仕事を行っています。