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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

救急病院では、常に全科の医師がいて、初めて本当の救急が行える。


たとえば血栓症の患者さんは、いたるところに血栓を作ることもある。

だから、脳血栓の患者さんは、同時に心臓血管に血栓を作っていることもありうる。


救急車で運ばれてきた患者さんが、この両者の血栓を伴う場合、

脳外科医と、心臓外科医と両者共に緊急手術が出来る体制にしておかなければならない。

更に、麻酔科医も当直が必要だ。


しかし、夜の当直の時間帯には、どんな大病院でも、

この3者がそろっていることは、ほとんどない。


当直が眼科医のみと言うところも珍しいことではない。

これでも、救急指定病院となっているのが現状だ。

恐ろしいことで、あまりにお粗末と言わざるを得ない。


また、真の救急医療を行おうとすると、医師の数は今の何倍も必要となる。

本来は、昼と夜の医師の数が必要となるからだ。

土曜日も、日曜日も病人は出る。


今日も日曜日に、救急病院を

たらいまわしにされて、

都立墨東病院で死亡した都内の妊婦の患者さんのニュースが放送されていた。

医師の数が余っているはずの東京都ですら、この有様である。


労働基準法をはるかに越える労働時間を強いられているのが日本の医療の現実だ。

医師だけには、死ぬほど働けと言う国となっている。

まともな数の医師を雇うと、赤字になる医療費しか病院には支払われないから問題だ。


また、国立がんセンターでは、

10名いた麻酔医の5名がやめたあと、その補充が出来ず、

手術件数が落ちて、病室の空床ができて、医療崩壊を起こしている。

癌の患者さんたちは、癌の増殖が進行したまま入院を長くまたされ続ける事になっている。


たまりかねた厚生省が、都内の大学病院へ麻酔科医を国立がんセンターに出せと要求している。

が、なぜ、銀座と言う都会に最も近い有名病院に、

医師が行きたがらないのかと言うことすらわかっていない。


医師の側から見ると、都立病院や国立がんセンターなどは、

非常に安い給料でありながら、アルバイト禁止となっている。

都会では生活費や住居費も高くなるのに、

家族をまともに養えない給料だけでは、誰も働けないのだ。

そもそも、保険点数が安すぎるから、このような給料しか払えないのも事実だ。


また、アメリカの進んだ救急医療システムを作ればよいと、

テレビで放送しているが、とんでもない。

そもそもアメリカの医療費用は、

日本の10倍高いと言うことが全く触れられることがない。

10倍の収入があるアメリカならではの話なのだ。

これでは、世界的な仕事ができるようになった優秀な医師が

アメリカへ逃げたくなるのも仕方がない事実だ。

日本は、もぬけの殻となる。

マスコミは、もっとこのようなところをきちんと勉強してから分析するべきだ。


毎年毎年医療費を削っている日本では、

医療崩壊を起こすしかない。


銚子の市民病院がつぶれたニュースのことすら、

麻生総理大臣は、全く知らないと、国会で答えていた。

総理がこのような認識しかないのだから

全く話にもならない。


救急でたらいまわしの患者さんが、何人死んでも、

市民病院が何件つぶれても、自動的に

医療費を削減している国の政策が変わらない。


国は相当に狸としかいえない。


自民党支配が長く続きすぎたせいとしか言えない。


そもそも、日本は国民総生産で、世界第2位を誇る国なのに

医療費を削減しすぎて国民の健康を守れなくなった。

金の使い方が間違っているとしか言えない。


国民は、怒るべきだ。

医師会も、ぼやぼやせずに

全国一斉ストライキを視野に入れた運動を展開すべき時だ。