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永田小耳症形成外科クリニックと愉快な仲間たち

愉快な仲間たちの秘密の会話

毎年毎年、医学は科学として発展している。

これらの発展したことを、

少なくとも国際的な学会に報告積み重ね、

国際的なジャーナルに、英文で論文として報告して初めて

学問の進歩を成し遂げることとなる。


形成外科分野における世界に認められた学問ジャーナルとしては、

インデックス、メデックスによれば、

ランキング1位が、アメリカ形成外科学会誌

ランキング2位が、イギリス形成外科学会誌

その他となっており、

日本が合併して出しているスカンジナビアジャーナルは、最低のポジションとなっている。

また、日本形成外科学会誌は、医学ジャーナルとして認められてもいない。


残念ながら、これが現実だ。


真の学問をしていることを示すためには、

アメリカ形成外科学会に、発表し、

世界に認められたジャーナルに論文を載せることである。


日本のテキストとなる時は、30年遅れとなっている。

このタイムラグに、気がつかない厚生省が、また問題なのだ。


もっと、最先端の医学を早く日本に導入するシステムつくりが

厚生省には必要だ。

最近、国立大学医学部の学長が集まって記者会見を行った。

国立大学病院の60パーセント以上が赤字である。

医師不足である。

国に、もっと、補助金を出してくれるように要望する。などと訴えていた。


一般病院とは異なり大学へは、

国からは、あらゆる補助、教育、研究のための資金が出ている。

が、

資金不足で研究もままならないとの事である。


形成外科分野に限って言えば、

今回のアメリカ形成外科学会に、

日本から演題は、ほとんど出てもいない惨憺たる状況となっている。

わずかに出ている演題も全て、発表すらないモニターによるポスター展示ばかりだ。

新たな学問の発展がない、ということだ。


少なくとも1990年代は、東大を始めいくつかの大学が

競って、アメリカ形成外科学会へ演題を出して、ちらほら口演発表を行った時期があった。

が、ここ3年ほどは、日本の大学からは、

発表時間5分以下の演題が、せいぜい1演題か2演題しかなかった。

そして今年は、ポスターのみである。

なんとも、学問が、日本の大学病院からから、消えてなくなってしまっているのだ。

日本の医学レベルが落ちてきている事が危惧される。


日本からは、たった15ベットしかない永田小耳症形成外科クリニックが

3時間のインストラクショナルコースを行うのみだ。


厚生省は、危機感を持たねばならない。

医療費を削減すれば、医学のレベルまでも底なしに落ちてしまうのだ。



午前中に

入院中の小耳症患者さん達の包帯交換を行った。

午後からは、局所麻酔の手術を1件行い

やっと自由時間が持てた。


アメリカ形成外科学会でのインストラクショナルコースの準備に取りかかることができた。

とにかく、総計3時間もの講演となる。


私の教え子であるトロントのシックチルドレンの医師2名と、アルバータ大学の医師1名と

私とで、

「永田法の、小耳症に対する耳再建手術」

を、わかりやすく解説しながらの、講演となる。


うち1時間半をかけて、私は、講演しなければならない。

図や写真を入れて、総計800枚以上の写真を供覧しながらの説明となる。


「小耳症の典型例の総論。

手術法による分類。

耳のあるべき解剖の理想のプロポーション。

デザイン設計の仕方。

胸郭変形をきたさない傷の短い肋軟骨の採取の仕方。

肋軟骨を使った3次元耳型フレームの作成の方法。

作成の器具。


そして各論

耳垂残存型小耳症。

耳甲介型小耳症。

小耳甲介型小耳症。

両側小耳症に対する聞こえの再建、バージニア大学耳鼻科との国際共同手術。

第1、第2鰓弓症候群を伴う小耳症。

ローヘアーラインを伴う耳垂残存型小耳症。

ローヘアーラインを伴う耳甲介型小耳症。

ローヘアラインを伴う無耳症。

上記全ての症例に対する一度手術を受けたものの

不幸な結果となった症例に対する再々建手術。


外傷耳欠損に対する再建術。

すなわち、熱傷。切創。柔道耳などの欠損変形の再建術。

腫瘍切除後の再建術。

など」


耳に関する再建の全てを語らなければならないから大変だ。

英文原稿だけでも原稿にして100ページを超えている。

読み終えると、のどは、からから、息は絶え絶えとなる。


残りの時間を、トロントの医師2名とエドモントンの医師1名で、

「永田法を、学ぶ側の立場から、訓練の仕方や、永田法の経験。」

を講演して。

質疑応答となる。


このアメリカ形成外科学会における永田法のインストラクショナルコースは、

今回で3回目となる。

1回目は、サンフランシスコ。

2回目は、ボルチモア。

そして今年の3回目は、シカゴだ。


1回目2回目までは、

ブレント医師の耳再建法の、コースが、永田法のコースと、ともに、2コースあったのだが、

今年からは、小耳症に対する耳再建術のコースは、ついに

永田法のみとなった。


11月2日、成田を立ちシカゴへ飛ぶ予定だから、

準備期間など、もうほとんど残っていない。