
本日の小耳症術前。
他の病院で、すでに手術を数回行われたが、不幸な結果となっている。
耳の上半分からは毛がはえている。
頭からすでに、血管膜も一部使われてしまっている。

本来の耳の場所を、赤マジックで書いて示している。
作られた耳が、正常な場所より、はるか、下にある。
はるかに、上に再建し直さなければならない。

このデザインを考えるだけで、相当な時間を必要とした。
再建された耳の不完全な耳珠に相当する所に
色の異なる皮膚移植が行われている。
この皮膚は切除しなければならないが
耳たぶの部分の血行障害を起こさないかと熟慮が必要だった。
結局切除した。

頭から薄い皮膚を採取した。右上
頭から、残されていた血管膜を起こした。
この血管膜をよく観察すると、
耳から遠い上半分の部分は、
良好な出血が認められるものの、
耳に近い部分は、以前に剥離されたところで瘢痕化しており、
あまり血行が良くない。
耳と耳の後ろ側の色の異なる皮膚は切除した。右中
耳の中に移植されていた肋軟骨を切除した。右下

作成した3次元肋軟骨フレーム。

3次元肋軟骨フレームを移植したところ。
下半分は皮膚弁でカバーしてある。

耳の上半分は、生きた血管膜でカバーした。

血管膜の上に、あらかじめ頭から薄く採取していた皮膚を移植した。
本来耳があるべきところに耳が再建された。
腫れは、時間と共に引いてゆく。
10時間25分もの手術時間。
12時間45分もの麻酔時間が、かかった。
その1
このブログの写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。
小耳症手術による合併症
一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎
縫合不全 ハゲ 床ずれ その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。
その2
このブログの写真は耳介形成術をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。
耳介形成術による合併症
感染、 縫合不全 その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。