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永田小耳症形成外科クリニックと愉快な仲間たち

愉快な仲間たちの秘密の会話

昨日の長時間手術のため

手術記載を書き終えたのが、深夜2時だった。

本日は、朝8時半から

本日退院の患者さんを診察して

申請していたパスポートが出来ているので

取りに行かなければならない日だった。


場所は松戸市。

電車を乗り継いで1時間かかる。

外は快晴で、暖かく、久々の外の風景が目にしみた。

新たなパスポートは、ICチップが組み込まれていて分厚くなっている。


帰りには、日本経済新聞を買い電車へ。

ソニーが、1万6千人規模のリストラを行うとの記事が乗っていた。

相変わらず、不景気な記事ばかりだった。


そうこうしながらも、ようやく、クリニックへ帰り着いたのが12時だった。

医局には、英文通訳をしてもらっているJさんが今か今かと待っていて、

来年のインド、ニューデリーで行われる国際形成外科学会からの

小耳症招待講演依頼に応じるための各種手続きを行ってもらった。

実はこのために、パスポート申請を行ったのだった。



あわだたしい昼食後は、数名の患者さんの診察、そして

入院患者さんの包帯交換を行って、

やっと一息つけた今、夕方3時を越している。


昨日の手術終了時間が夜の12時を回っていたので

やや疲れを感じているところ。


明日の手術は、小耳症患者さんの耳立て手術となっている。

また8時間の手術予定だ。
P10002731.jpg
術前の状態。
某大学病院で3回の手術を受けて耳を再建されたものの
不幸な結果となっている。
P10002741.jpg
本来耳があるべき場所を、赤で示す。
再建された耳は、全く離れた場所に再建されてしまっている事がわかる。
ローヘアーラインの症例で、なおかつ、
耳たぶのなごりが前に存在していた部分を使って耳を作られてしまった。

何故このような結果となったのだろうかと、素人の方ほど、不思議に思われるだろう。

通常ローヘアーラインの重症なケースでは
永田法を用いる技術力がない施設では、
髪の毛が生える耳しか出来ないか、
髪の毛が生えないために、耳を前方に作ってしまう。

患者さんにとっては、ほっぺたに作られたこの変形した耳を髪の毛で隠すことすら出来ない。

するとこのような惨めな結果を生み出してしまう。

このような状態となってからの作り直し手術は非常に困難となる。
P10002751.jpg
非常に複雑な手術デザインとなった。
P10002761.jpg
作成した3次元肋軟骨フレーム。
P10002771.jpg
再建された耳の中に移植されていた肋軟骨は摘出した。
また、耳の後ろに衣装されていた色の異なる陰毛のはえた皮膚は切除した。
使える耳上半分の皮膚だけ残せた。
頭から血管膜を起こした所。
ほっぺたから頚にかけて巨大な皮弁を作成した。
頭から薄い皮膚を採取した。
耳のあるべき毛根部を切除した。
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切除した毛根部分に3次元肋軟骨フレームを移植して、
それを生かすために、血管膜でカバーした。

もともと再建されていた耳の部分は
ほっぺたにあたる場所である。
だから再建されていた耳を切除した場所が陥没したままとなる部分は
ほっぺたらしく陥没部分を膨らませる必要がある。

この目的で、
ほっぺたから頚にかけて作成した巨大な皮弁を上方に移動して
陥凹部に、肋軟骨移植を行って平らにした部分をカバーした。

もともとの耳で残せて使えたのは、耳の上半分以下だった。

もみ上げもなかったので、再建している。
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耳の形を作成した3次元肋軟骨フレームを
頭から起こした生きた血管膜でカバーして生かした上に、
更に頭から採取していた薄い皮膚を移植したところ。

頭から薄い皮膚を採取した部分は、かすり傷なので
治って髪の毛が生える。

再々建した耳から髪の毛は生えない。

もともと耳が再建されていた部分のなごりは、ほっぺたに再建された。

なんと麻酔時間は15時間20分。
手術時間は、13時間。

朝9時に、手術室入室して、
麻酔終了時間は、午前0時20分だった。

その1

このブログの写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

小耳症手術による合併症
一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎
縫合不全 ハゲ 床ずれ その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。


その2

このブログの写真は耳介形成術をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

耳介形成術による合併症
 感染、 縫合不全 その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。