fc2ブログ

小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

P1000412-.jpg

今日は、永田小耳症形成外科クリニックに小耳症手術を見学に

シンガポールから、女医さんが来られた。「写真左」

National university of Singapore 「シンガポール国立大学」の

耳鼻咽喉科の助教授で・頭頚部外科のコンサルタントでもあり

聴力・言語発育センターの所長でもある人だ。

Lynne H Y LIM 先生。

エジンバラ大学と、ハーバード大学で学んだ才女だ。

以前、アメリカのブレント医師が行うブレント法の小耳症手術見学をしたこともあるそうだ。


手術見学後に、病室入院中の患者さんの包帯交換をも見学した。

明日も、手術を見学する予定だ。


シンガポール国立大学耳鼻科には、小耳症の患者さんが多いのに、

形成外科医に紹介しても、きちんとした耳を作ることが出来ないそうだ。

そこで、永田小耳症形成外科クリニックを見学に来られた。


「シンガポール国立大学に、私を招待して、

耳を作るデモンストレーション手術を、是非おこなってほしい。是非ともお願いしたい。」

と、おっしゃていた。


彼女が持っているのは、永田小耳症形成外科クリニックで

小耳症手術の見学を行った、という私のサイン入りの証明書だ。


これまでも世界各国から頻繁に形成外科医や耳鼻科医の

留学生や見学者が来られている。


欧米先進国では、すでに形成外科専門医師テスト問題に永田法が出題されるほど

浸透したが、ますます、世界各国に小耳症手術は、

タンザー法やブレント法から永田法に変わって広がっていく。


やりがいある仕事でもある。


P1000401-.jpg
かつて、某病院で、シリコンを移植して耳を作る手術を受けたものの化膿して
結局シリコンを摘出せざるを得なかった症例。
すでに頭から血管膜を使われてしまっている。
耳の真ん中には、色の異なる皮膚が、移植されている。
皮膚が、縮み多くのしわが出来ている。

このように、一度他の施設で小耳症手術を受けたものの不幸な結果となり、
永田形成外科クリニックへ作り直しを希望して来られる患者さん達が
日本中から急増している。

最近自分の肋軟骨を材料として造られた耳でも
作り直さなければならない子供達が、多い。

以前に作られた耳でも、あきらめることなく、
永田小耳症形成外科クリニックでは
作り直すことが出来るということを
最近では、患者さん達がようやく、気がついてきたからだ。

最初から、きちんとした手術を受けていた方が得策だ。
P1000402-.jpg
手術デザイン。
P1000404-.jpg
切開を行った状態。
P1000405-.jpg
耳の真ん中に大腿付け根から色の違う皮膚を移植されていたので、切除したところ。
P1000406-.jpg
皮弁を形成したところ。
P1000407-.jpg
色の良い皮弁を、切除した皮膚の部分へ移動してきたところ。
P1000408-.jpg
皮弁でどのようにカバーするのかを示す。
P1000403-.jpg
大人の患者さんは、このように肋軟骨が骨化しており、曲がらないので
3次元肋軟骨フレームを作ることが困難だ。
作成した3次元肋軟骨フレームが、このように削ったところは
色が白くなくて黄土色となっている。
P1000411-.jpg
3次元肋軟骨フレームを移植したところ。
しわしわだった皮膚の影響も、ずいぶんなくせた。

その1

このブログの写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

小耳症手術による合併症
一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎
縫合不全 ハゲ 床ずれ その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。


その2

このブログの写真は耳介形成術をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

耳介形成術による合併症
 感染、 縫合不全 その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。




今は、もう夜の12時を回ってしまったので、

昨日の夕方の事になるが、久しぶりに、

かつては、私の後輩の形成外科医が2人

永田小耳症形成外科クリニックを尋ねてくれた。


後輩と言っても、一人は50歳、一人は46歳となっている。

それぞれに、自分の人生を歩んできた。


一人は、国内で最も大成功している美容外科を開業しており、

もう一人は、国内有数の美容外科で勤務している先生である。


かつて私が東京専売病院部長で勤務した時代に、

東京大学形成外科の医局から1年間派遣されて一緒に働いたことのある先生達だ。

1990年代初期の頃だった。


懐かしさいっぱいで、話が弾んだ。

当時の他の先生方の近況など聞けて、懐かしいやら、驚くやら、

話がとめどなく尽きることが無かった。

久しぶりに、心の底から大笑いが出来た。


苦労話や、深刻な時期が、あらゆる面で、それぞれにあり

聞けば聞くほど、何故、今があるのかが理解できた。


人は思わぬ事から、人生の転機を迎えてきていることがわかり

感動する場面もあった。


あの時の後輩が、少なくともあの時代に

お互いに良い意味で、影響しあっている事がわかった時、

いまだに、みんなが燃えている事で

お互いの励みとなった。


ついつい時間の経過も忘れた6時間だった。