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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

大きな体制が常識だ

と信じられている中で、

たった一人の個人が、この体制が「違う」と叫んでも無意味だ。

変わるわけがない。と、多くの人が言う。

なかば、「諦め」とも言える考えだ。


それは違う。

たった一人の発言が、

仲間を変え、

町を変え、

市を変え、

国を変え、

そして世界を変える原動力となる事がある。


小耳症治療法はタンザー法が常識だという時代に

その後生まれたブレント法をも飛び越えて、

新たな方法を開発した時。


最初、周囲は「そんなことは不可能だ」と

皆が言っていた。

正常な耳を作ることなど絶対に不可能だと言っていた。


正常な耳を再建した証拠を見せても逆に国内では

「そんなはずはない」と、無視をした人までいた。

いや、むしろ、邪魔をした体制側の人達の方が実は多かった。

いまや、その人たちが作ったほとんどの耳の作り直しをしている。


論文を、アメリカに投稿し、1992年に、掲載されてから、

世界は変わり始めた。


まず、私を招待したヨーロッパから

永田法への変化が現れた。

18年間、世界中からの招待講演に応じて

数えられない回数、世界を教育してまわることになった。

この3年間は、連続してアメリカ形成外科学会においても

小耳症教育講演「インストラクショナルコース」を行って来た。

2009年の国際形成外科学会において、

小耳症のマスターコースを講演することになった。

そして今、世界中に少しずつ育てた私の教え子達が育ってきた。


個人が世界を変えたという実感を

私は、今しみじみと感じている。


それと共に、

更に細部にわたるまで世界へ正確に伝える必要があることを感じている。


世界を変えた個人として

その立場に責任を感じている。

もう一段のステップアップが、また、なされようとしている。


進歩に限界はない。


不可能だという限界を自ら作らない事が

進歩を生み出す最も重要な事だ。











突然にハッとして、

引き付けられる時がある。

それは、ほんの

一瞬のことだ。


伝令のごとくそのシーンは、脳裏に、はっきりと刻まれる。

忘れようとしても、よみがえってくる。


繰り返し、よみがえる。

記憶は、増幅され繰り返す。


遠い過去の思い出のはずなのに、まるで今のように

鮮明に蘇る。


かき消そうとすればするほど

心をかきむしるように蘇る。


あのファンタジー。

目を開けていても閉じていても


繰り返す

あのシーンやこのシーン

それほど深く

心の底から

蘇る。


繰り返すファンタジー。


私は忘れることが出来ない。

あのファンタジーを!


それほど、大切に、気付かれない様、いつも

じっと見つめ続けていたからだ。