fc2ブログ

小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

P1000563.jpg
本日の耳は、1年前に永田小耳症形成外科クリニックで

肋軟骨移植を行い、半年前に

アメリカのバージニア大学耳鼻科の

ジャスドーファー教授および、ケッサー教授による

聞こえの手術を受けている。

P1000564.jpg
耳立て手術のデザイン。

P1000566.jpg
2枚の血管膜を起こしたところ。
耳穴が深い所に見える。
耳穴の後ろ壁を延長してある。

P1000569.jpg
血管膜のうちの深い膜を耳の後ろへ移動したところ。
耳を起こした時に、耳穴の後ろの壁は、距離が不足するために薄く、ぺらぺらとなってしまう。
増設された外耳道後壁には、距離が不足し、穴が開いてしまうので、耳からの局所皮膚弁により
外耳壁後壁を延長形成した。
その耳穴の後ろ壁を補強するために、2枚目の血管膜でカバーした。
P1000572.jpg
その上に耳の後ろから、肋軟骨ブロックを移植して耳を立てたところ。
P1000573.jpg
肋軟骨ブロックと、耳全体を1枚目の血管膜でカバーし、その上に皮膚移植を行った。
耳を上から見た所、耳が立っている。
P1000574.jpg
耳を前から見た所。耳が立っている。
耳の腫れは入院中に引いてゆく。
とにかく、また、世界初の手術となった。
夢があって、はじめて生きる喜びがある。

明日に向かって大きな夢であればあるほど、それが実現した時は嬉しい。


逆に夢が全くなくなると、生きていてもつまらなくなる。


この10年間、日本では、毎年3万2000人を超える自殺者が出ていると

ニュースで放送されていた。

年間交通事故死亡者数の3倍もの人数となる。

この10年間で自殺者数は32万人にもなる。


それ以前は2万4000名ほどで推移していた。

年間自殺者のうち女性は8000名ほどだから、男性が圧倒的に多い。


ところが、夢破れての自殺ではなく、

経済的理由の自殺者が増加しているそうだ。

無職者の自殺死亡数がこの10年前よりも急に増加している。


なんとも悲しい世界大不況という現実がそこにある。

日本はGDP世界第2位の国家であるはずなのに、

経済的理由での自殺者が増加しているという。


医療の一端を担う者として

残念でならない。


自由経済の破綻が極端になっている。

人が作り上げた、どこかが間違ったシステムの中で、

気がつかなかった落とし穴に、突然引き込まれている。


人類は、まだ不完全な知恵しか持ち合わせていないのだろう。