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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

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これは何だ?

インド・ニューデリーで行われた国際形成外科学会の際に

カナダ・アルバータ大学形成外科のゴールド・ウイルキス教授が、

わざわざカナダから私のために持ってきてくれたもの。

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「TJELLSTROM 賞 2006」 と、書いている。

TJELLSTROM とは、カナダ・アルバータ大学の国際的に有名な医師の名前。

この大学では、代々、医学的功績や貢献に寄与した医師に対して表彰しているのだそうだ。

その表彰状が、このクリスタル製の盾。

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「頭首部治療で人の生活の質を高める事に、優れた貢献をした永田悟医師に贈呈する,TJELLSTROM表彰状」
「カナダ・アルバータ大学」

という意味のことが書いてある。

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ピカソ風の金属製の勲章は、クリスタルから取り外すことが出来る。

その裏にも、同様のことが書かれている。


実は、私はずいぶん前から、アルバータ大学形成外科からの依頼で

カナダへ飛び、小耳症のデモンストレーション手術を何回か行っていた。

このブログでも以前に書いたが、

カナダでは、当時、このことが新聞やテレビといったマスコミにも大きく取り上げられた。


それ以降も、カナダ、トロントの子供病院からの依頼で、小耳症治療に対する講演や手術

を行ってきた。

私は、アルバータ大学形成外科では、「Adjunct Professor」

トロント子供病院では、「Visiting Professor」、と、なっている。


ところで、この賞は2006年時のものである。

アルバータ大学としては、当時、日本形成外科学会の際に、その会場へ

カナダから関係者が、私を表彰するために わざわざ日本に来て、

この表彰状の授与式を行おうと計画を立て

日本形成外科学会へ連絡したらしいのだが・・・。

という事で、3年遅れではあるものの、

私が今回インド・ニューデリーの国際形成外科学会で

「小耳症マスターコース」を行う事を、あらかじめプログラムを見て知っており、

このような重たいクリスタル製の賞を、わざわざ、カナダから運んできてくれたのだった。






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耳甲介残存型小耳症の術前。
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本来耳があるべき場所を赤で示す。
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手術デザインの完成。
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胸から4本の肋軟骨を採取し、
それらを組み合わせて彫刻して作成した耳甲介型小耳症のための3次元肋軟骨フレームを示す。
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耳介軟骨をすべて切除摘出して皮弁形成および皮下ポケットを作成したところ。
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3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットに移植し、皮弁を移動して縫合したところ。

その1

このブログの写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

小耳症手術による合併症
一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎
縫合不全 ハゲ 床ずれ その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。


その2

このブログの写真は耳介形成術をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

耳介形成術による合併症
 感染、 縫合不全 その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。




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中部地方の某大学病院で手術を受けたものの不幸な結果となった小耳症。
作られた耳は変形萎縮している。
その耳の後ろには、股の付け根から採取した色が違う皮膚が移植されいるために陰毛が生えてきている。

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本来、耳があるべき場所を赤で示す。
本来耳があるべき場所には、100パーセント髪の毛が生えている。
重度のローヘアーラインの症例。
耳がほっぺたに作られてしまっている。
このような症例があまりにも多い。
このような手術しか出来ない大学病院では小耳症の手術を行うべきではない。
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手術のデザインの完成。
正常な場所に髪の毛が生えない耳を作り
ほっぺたは色の異なる移植された皮膚を切除して、もみ上げを再建しなければならない。
非常に困難な手術となる。
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作成した3次元肋軟骨フレーム。
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頭から、血管膜を起こしたところ。
色の異なる皮膚は切除している。
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ほっぺたの色の異なる移植されていた皮膚を切除して、
耳があるべき場所に生えていた髪の毛を前方へと移動し、欠損していた「もみあげ」を作成した。
本来耳があるべき場所に、新たに作成した3次元肋軟骨フレームを移植して
その3次元肋軟骨フレームを生かすために、頭から起こしてきた血が通った血管膜でカバーしたところ。
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血管膜の上には、更に頭から採取した薄い皮膚を移植した。
ほっぺたに作られていた耳の形跡も消している。
頭から薄い皮膚を採取したところは、入院中に治り髪の毛が生えてくる。

非常に複雑極まりない手術だったので手術時間は11時間だった。

その1

このブログの写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

小耳症手術による合併症
一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎
縫合不全 ハゲ 床ずれ その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。


その2

このブログの写真は耳介形成術をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

耳介形成術による合併症
 感染、 縫合不全 その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。




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今回の国際形成外科学会は、

1200名を越す形成外科医が世界中から集まったものだから、

夕食会を開くにも、会場のホテルから何台ものバスを連ねて、

別に用意された広大な会場へ移動して行われた。

この写真は、夕食会会場へと入場する時のもの。

ものすごい人の列。

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会場では

インドの美女達が踊りを披露している。

頭に壺を載せて、その壺に火が燃えているのだ。

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時間とともに、形成外科医師達も、つられて踊りだした。