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永田小耳症形成外科クリニックと愉快な仲間たち

愉快な仲間たちの秘密の会話

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小耳症に対する肋軟骨移植術に関するアメリカ形成外科学会誌に掲載された論文は多数あるが

代表的なものは、

        1959年に報告された タンザー法・Tanzar・手術回数は6回
        
        1980年に報告された ブレント法・Brent ・手術回数は4回

        1992年に報告された 永田法  ・Nagata・手術回数は2回

上記のように、3者によって耳の再建手術は、進歩してきた。


これらを具体的に見ると、前胸部から採取した肋軟骨から作成する耳の形は

具体的に見ると、上の図のような違いがある。


作成した部分をわかりやすく色分けして示すと

基礎となる部分を青で示している。

その基礎の上に、黄色い部分をワイヤーで組み合わせて「2段重ね」としている。

タンザー法とブレント法は、この2段重ねの方法だ。

両者ともほぼ同じ形となっている。

耳輪の部分のみをワイヤー固定して作成しているので、

ワイヤー固定数は、わずか、5箇所程度にすぎない。


これら従来法に比較して

基礎の下に赤い部分を「3段重ね」として追加している。

この3段重ねとなっているのが永田法だ。

永田法では、ワイヤー固定箇所が85箇所も必要だ。

手術時間がかかる理由もお分かりだろう。


上の図を比較すると、

永田法が、3次元肋軟骨フレームと呼ぶ意味が、よく理解していただける。


正常な耳の形としては、

全く不完全な従来法である「タンザー法」、「ブレント法」と比較すれば

「永田法」では、耳の形を省略することなく すべて再現していることが一目瞭然だ。


永田法が、従来法よりも、全く異なる別の次元の手術法へと進化したことがわかる。

現在では、アメリカの形成外科テキストの小耳症治療部門を永田が執筆している。

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上の写真は、アメリカ・サンフランシスコで開催された国際形成外科学会および、

1998年カナダ・レイク、ルィーズで行われた第3回国際小耳症学会で

小耳症治療のパネルディスカッションを行った3人。

1998年時の写真。


写真に向かって左が、アメリカの「ブレント医師」。右が「永田」。

中央は、フランソワーズ・フィアミン医師。


彼女は、はじめ、ブレント医師から学び、永田法がアメリカ形成外科学会誌に掲載されると

直ちに、永田法を学びに複数回来日した。

当時、フランス形成外科学会の幹部であったフランソワーズ医師は

永田を、フランス形成外科学会へ呼んで招待講演を行わせ

ヨーロッパへ永田法を広めるきっかけを作った。


その後、永田は、オーストリア・オランダ・スペイン・イタリア・フィンランド

で行われたヨーロッパ形成外科学会で小耳症治療の講演を重ねた。

イギリス形成外科学会が後援した第4回国際小耳症学会が2007年にエジンバラで行われ

永田は、小耳症招待講演およびデモンストレーション手術を行った。

また、2008年まで、アメリカ形成外科学会において小耳症治療のインストラクショナルコースを行なった。

さらに、2009年11月インドで行われた国際形成外科学会では

形成外科医のための小耳症治療の教育講演を行っている。


そして、いまだに、進歩を続けている。






いつもより遅れてクリニックについたら、
回診から降りてきた院長が、
「おい、2号室のドアが壊れているぞ」という。

あらまあと思って2階にいったら、
他の子のお父さんが「えいやっ」と直してくださった。
こわした本人を連れて行って、お礼を言った。
お母さんは後ろで小さくなっておられる。

当院では小学生の入院が多いので、
こんな事はしょっちゅうだ。
さっきまで仲よく遊んでいたのに、もうけんかしてる。
時々物も壊れる。

もう時効だから書いてもいいか。

4号室は男部屋である。
男の子がわいわいと、賑やかな事が多い部屋だ。

あるとき、飛び切り元気な男の子が揃っていた。
ベッドそれぞれにオーバーテーブルが1台づつついている。
Aくんは病室の壁にかかっている時計が気になった。
時間がずれている。
直したい。
ぐるりと見回して、オーバーテーブルが目に入る。
あれに乗ったら手が届きそう。
ということで、オーバーテーブルに乗る。
ところで病院のオーバーテーブル、高さを調節できるのだが、
乗ったらそれが、
ひゅん!下へ下がった。
面白い!
おい、お前もやってみろ!
ということで、
3人がかりでひゅん!ひゅん!と遊んでいたら、
たちまちのうちに壊れてしまいましたとさ。

次の日、お見舞いにきたお母さんを一人づつリカバリーに呼びいれ、
そこには天板が斜めにかしいだオーバーテーブルがあり、
「こちらを見てください。実はお宅のお子さんが・・・」
ということで、
怪我が無かったのでこれは笑い話。

3人ともよくもそんな事思いつくもんだ。
私はすっかり感心し、
「この3人はいつか社長さんだよ。いや、それ以上かも」と確信したのだった。

ところで同室のあと一人は大人の方で、
「音楽を聴いていたのでなにがあったのか全然知りませんでした」と
終始マイペースだった。





院長回診が始まる。

さあ急げ!

だって、準備が出来ていないと、院長が怒る。
吼える!
間に合わないと数え始める。
「1,2,3・・・」
だから何なのよと思うのだが、聞いて、いらつく。

大急ぎで入院ベッドの間を駆けずり回る。

「ベッドを上げて(低いと院長の腰がやられる)
 胸のボタンをはずして(テープを貼る時、パジャマの襟が邪魔にならないように)
 テーブルの上を片付けて(軟膏やテープを置けるように)
 ライトを付けて,カーテン閉めて(プライバシーの確保だ) 
                   ・・・エトセトラ」

女の子は大急ぎでネットをはずす。
早く髪をきれいにして置かないと、
院長が
「不潔になる!」と言って、はさみでジャッキリと切ってしまう。

なんてこった。

入院して間もない患者さんが、
手術をした耳の側に荷物を置いておられるので、
「院長がこちら側に立って消毒するので、
ここに荷物を置かないでくださいね。
院長が蹴飛ばしますよ」とお願いしたら、
「聞いております」と言われた。

入院間もないのに、誰が話したのか・・?

そう言えば入院直後の患者さんには、
2回目入院のベテランさんが、
色々準備を手伝っている姿をよく見かけるが、
情報はその時に伝わるものなのだろう。
4月3日、土曜日は、春休み最後の土曜日とあって

小耳症の患者さんが外来にあふれた。

全く昼休みを取る暇もなく、ただ黙々と外来をこなした。

手術前、手術後の小耳症の患者さんたちの経過観察は、

小耳症患者さんたちにとって、重要な診察だ。

また、小耳症新患の患者さんにとっては、

手術法の説明を詳しく理解していただくために、2時間の説明が必要になる。


それにしても、年間に日本中で100名程度しかいない小耳症の患者さんだけで

外来があふれているなどと言うことは通常ではありえない事だ。

だから、日本中の患者さんたちが当院へ通院されていると言うことになる。


春休みの期間が短いので、

短期間に全国からご両親が付き添われて来院されるため

春休み期間中の外来は例年集中的に混雑することになる。

そういう意味でも、特殊外来である。