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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

小耳症に対する耳介再建術は、

形成外科の再建分野の中で、最も困難な分野のひとつとされている。


なぜなら耳の形態そのものが、体表の器官の中で最も複雑な形態をしているからだ。

複雑な形態をしているからこそ、

科学的に理想の耳の詳細部分がどのような関係形態であるべきかという点を

耳全体に対するパーセントで表した世界に認められた論文がある。


また、耳介軟骨の表も裏も、動脈血が流れる皮膚で覆われており、

30度の角度で立っている。


このような耳を胸から採取した肋軟骨を細工し組み合わせて耳介軟骨の代用として

3次元の肋軟骨フレームを作成し、その3次元形態にぴたりと合った血行の良い組織で

死空を作ることが無いように耳の前も後ろも被覆しなければならないから

なおさら困難な手術となっている。


しかも、小耳症と一言で言っても術前の形態は患者さんによって

それぞれ異なっているので、手術法もオーダーメイドとなるので

それぞれに異なった術式が必要となるからなおさら困難となっている。


従来法であるタンザー法やブレント法では不完全な耳しか再建できなかったが

1992年、永田法がアメリカ形成外科学会誌に記載されて以来

完全な詳細なパーツを全て備えた耳の再建が可能となった。


永田法は、更に発展を遂げて、

従来法では不可能だったローヘアーラインを伴う小耳症そして無耳症まで

再建可能とした。

更にこれらの手術法を応用することで、耳の再々建術も可能となった。


現在の小耳症手術法は、

従来法とは全く異なる別次元の詳細な形態を再建できるようになっているが

その複雑な科学的理論と応用技術を習得するためには

形成外科医にとっては、非常に長期の修練と学習期間を必要とする事となった。


今年の5月24日、25日と

バンクーバーで行われた国際形成外科学会における永田法手術習得に関する

キーノートプレゼンテーション、ワークショップ、マスターコースを通じて

前述の点を踏まえて私は教育講演を行った。


医学を科学にするために弛まぬ努力をする事が最も重要だ。

科学を曲げることは不可能となるからだ。