
関西地方の某大学病院で小耳症に対する耳の再建手術を行われたが
このように不幸な結果となった。
再建耳の上からは髪の毛が生えている。
再建耳は平坦になっている。
耳の後ろには色が異なる皮膚が移植されている。
耳は頭から分離され植皮をされただけで、全く立ってもいない。
耳が立っていないだけでなく、耳の後ろに植皮されただけなので血行が悪く
耳が平坦化しているのは、血行不足により移植肋軟骨の吸収がおきているからだ。
タンザー法などの従来法により再建された耳はこのような血行不良による害が必発だった。
2010年12月10日
耳の作り直し手術を希望され手術を行うこととなった。
このような作り直し手術を希望される小耳症の患者さんたちが
永田小耳症形成外科クリニックには日本全国から集まる。

作り直し手術の複雑なデザイン。

左が新たに作成した永田法の3次元肋軟骨フレーム。
右が、移植されていたタンザー法の肋軟骨フレーム
および移植されていた色が異なる皮膚と軟部組織。

頭から血管膜「TPF」を起こしたところ。
耳から生えていた髪の毛を生えなくするために毛根部を切除した。
耳垂の後ろから皮下茎皮弁を作成した。

永田法の3次元肋軟骨フレームを移植し、上方は血管膜で被覆した。
下半分は皮弁で被覆した。

毛を生えなくした皮膚を血管膜の上に戻した。

それでも不足する皮膚の部分をを頭から採取した薄い皮膚で被覆した。
手術直後はこのように血管膜の腫れが起きているために再建耳の輪郭が出ていないが
術後3ヶ月もすると血管膜の腫れが引き明確な形態となってくるという特徴を持っている。

そして本日2011年8月4日の耳立て手術の日を迎えた。
立体的な耳が再々建されている。
それぞれの輪郭も鮮明となっている。
再々建された耳からは髪の毛が生えていない。
耳の上の色調も良好となっている。

耳立て手術のデザイン。
耳の後ろ外側に残された色の異なる皮膚は切除する。

頭から2枚目の血管膜「DTF」を起こした。
耳の後ろから耳を支えて立てるための肋軟骨ブロックを作成した。
また、頭から薄い皮膚を採取した。

耳が立っている。

耳が立っている。
手術直後は血管膜が腫れるので耳がパンパンに腫れているが、
耳の肋軟骨フレームの表は血行が良いTPFで、裏にも血行の良いDTFで被覆されているので
術後の腫れの引き方も早く、1回目の作り直し手術後と同様に耳の腫れは早期にひく。
しかも、血行が良い耳が再々建されたので、
術後長期にわたり肋軟骨の吸収も起こらない。
その1
このブログの写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。
小耳症手術による合併症
一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎
縫合不全 ハゲ 床ずれ その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。
その2
このブログの写真は耳介形成術をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。
耳介形成術による合併症
感染、 縫合不全 その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。