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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

耳の形態は体表で最も複雑なので

複雑な耳の形態全てを再建する手術は

形成外科の再検分野の中で最も困難な手術と言われている。


正常な耳の形態を描くことすら通常の形成外科医では困難だ。

そこで、耳の正常な形態はどうなっているのか?、

という事に関する世界的に認められている論文は

1978年ハーレ・トーレス氏が「正常な耳介の理想のポロポーション」

という内容で、すでに事細かな形態間の割合をパーセント単位で詳細を報告している。


科学的に、この形態どうり耳を再建できるようになることが

最も理想の耳を再建したことになる。


私は1995年、アメリカで発行された形成外科医のためのテキストブックに依頼されて

トーレスの言う理想の耳のプロポーションと1パーセント以内の誤差範囲での

耳介の再建手術法を実際の手術症例を用いて執筆した。


医学は科学にしてこそ初めて世界に広まっていく。


現在では、医学先進各国で小耳症に関する手術法として

「永田法」は、形成外科医の専門医師試験問題に出題されるようになり

ようやくその理解度も深まり定着してきた。


科学に基づく再建を探求していると、たどり着く結果は

芸術的にも最も優れた耳介再建、という結果が得られるようになった。


逆を述べると、科学者には芸術的センスが必要という事にもなる。