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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

Nagata Microtia and Reconstructive Plastic Surgery Clinic
Satoru Nagata, M.D., Ph.D.  9/June/2016
1st-stage operation for lobule type microtia

永田小耳症形成外科クリニック・永田 悟・2016年6月9日
耳垂残存型小耳症の肋軟骨移植術


P1120538.jpg
Preoperative appearance
  of lobule type microtia.

耳垂残存型小耳症の術前。

P1120539.jpg
Determine the proper anatomical location
   with the transparent film template.

本人サイズの設計図が印刷された透明フイルムを用いて
耳介の正常な場所と大きさを設計する。

P1120540.jpg
The outline for the 1st-stage operation.

肋軟骨移植術のデザイン。

P1120541.jpg
Fabricated 3-dimensional costal cartilage frame
   [3-D frame] and paper template.

作成した3次元肋軟骨フレームと紙型。

P1120542.jpg
Skin flaps formed,
anterior skin flap of the lobule,
posterior skin flap of the lobule,
mastoid skin flap,
tragus skin flap.
All remnant ear cartilage removed.
Skin pocket created.

皮弁形成を行った。
  耳垂前面皮弁、
  耳垂後面皮弁、
  乳突洞部皮弁、
  耳珠用皮弁。
すべての遺残耳介軟骨を摘出した。
皮下ポケットを作成した。

P1120544.jpg
3-D frame is grafted
 under the skin pocket
   and reconstructed auricle.

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介。

P1120545.jpg
At the end of the 1st-stage operation
  with Bolster fixation sutures.

ボルスター縫合固定を行って手術終了。

その1

このブログの写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

小耳症手術による合併症
一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎
縫合不全 ハゲ 床ずれ その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。


その2

このブログの写真は耳介形成術をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

耳介形成術による合併症
 感染、 縫合不全 その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。



6/4日、無事小耳症説明会が終了。早いもので、説明会も6回目。
はたして何人の患者様たちが来てくださるのか、不安でいっぱいだったけれど、やってみるもんだねえ。
なんとかなるもんだ。

この半年で、1歳から成人の方まで、たくさんの方に来ていただいた。
たとえばここで手術をするにしてもしないにしても、いろいろな情報を持って帰っていただきたい。
他では聞けない話もあるかもしれない。
いろいろと検討して、最終的に決めるのはご本人と、そのご家族。

ここに来ていただいたら、
小っちゃいクリニックだなあと、周りを見回していただきたい。
小っちゃいからこそのメリットもいろいろとあります。
事務さんも師長さんも、開設以来ずっといます。
ナースさんも長くいる人ばかり。

ちっちゃいけど「小耳症」に特化していて、
入院しても「小耳症」の患者さんばかり。
これでプロフェッショナルにならなくて、なんとしよう。

永田小耳症形成外科クリニックは小耳症の専門クリニックです。


手術の準備・剃(てい)毛(もう)―つまり髪の毛をカットすることです。

入院して、第一日目の大イベント。それは髪の毛のカットです。
男の子は丸坊主。
女の子は手術をする側を、半分くらいカットします。

小耳症の患者様は、髪を長く伸ばしている方が多いので、特に抵抗が強いかも。
でもこれは傷口を清潔に保つためです。髪の毛がガーゼの中に入って、傷にバイキンがつかないようにするため。絆創膏(最近はテープというのよね)がきちんと貼れるようにするために重要なこと。

以前できるだけ髪は切らないで、残してと言われ、結局、包帯交換のたびにテープをはがすのが痛くて泣いた子もいるんです。

中には、普段はできないからモヒカンにしてくれという子もいましたが、結局入院中はネットを被っているので見た目は変わらない。

女の子で、お年頃だと、髪をカットされて泣いたり、中には髪を切るくらいなら手術をしないという子もいます。けれど
「一時のことだから、髪はまた伸びてくる」と、自信を持って手術に臨む子もいる。

でも退院の時はそれぞれに工夫して、無事にお帰りいただいています。