小耳症(左耳)長期感染を繰り返していた症例の壊死組織除去 2022年10月18日
Surgeon: Seiichi Maruyama (plastic surgeon, Hills Aesthetic and Cosmetic Clinic)
Assistant: Yasuyo Nakashima (plastic surgeon, Narita Tomisato Tokushukai Hospital)
執刀医/丸山成一 (ヒルズ美容クリニック)
助手/中島康代 (成田富里徳洲会病院) 藤原廉(成田富里徳洲会病院 脳外科)
施 設/成田富里徳洲会病院
2022年10月18日
デブリードマン(壊死組織除去; debridement)
永田先生が耳介再建を行い7~8年後してから、
1年に1回、炎症と排膿を繰り返していた症例です。
外耳道(皮膚成分)が部分的に残っていたためか、
はっきりとした原因がわからない状態でした。
また患者さんはもともと心疾患もあるため、
感染性心内膜炎や敗血症のリスクもあり、
今回は根治目的で、脳外科医と何度も検討を重ね下記①〜③のプランをたて手術を行いました。
①全て除去
②眼鏡とマスクだけをかけれるようにするために、一部だけを残し除去
③永田先生が再建した耳介をできるだけ温存して治療

耳珠の皮膚を残すようにして赤いラインで切開しました。


CT画像を確認しながらの手術です。


術中所見ですが、
内部に外耳道(皮膚成分)が残っていて、
ここに垢がたまり炎症を繰り返していた原因と考えられたので摘出。
その下にもともとあった耳の軟骨(遺残軟骨)がありこれも摘出
さらにその下に隠れるように細くなった外耳道の続き(皮膚成分)がありこれも摘出しました。
一部は顕微鏡下で脳外科医とともに摘出しました。
摘出した後は、中に膿がたまらないようにスポンジを挿入して吸引しています。
局所陰圧閉鎖療法です。
こうすると膿がたまらずに肉芽が盛り上がり創傷治癒を早めてくれます。
↓スポンジを装着したところ

↓スポンジを吸引した状態。

なお手術では顔面神経を傷つけないように、
神経刺激装置を使用して安全に行えました。
今回は脳外科の先生の協力、
「永田先生が再建した耳介をできるだけ温存したい」という思い、
そして何より患者さんの思いを受け、
永田先生が再建した耳介を温存して治療することができました。
丸山成一
★入院中の様子はこちら→ 『小耳症治療の様子』
Cases presented here are to help you understand microtia surgeries. The results vary by case.
※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。
Complications after microtia surgery:
Pneumothorax (1 out of 2000 cases), alopecia, partial necrosis of skin flap, partial exposure of costal cartilage grafted, skin graft failure due to congenital poor blood circulation of superficial temporal artery and vein, etc.
In the event such complications arise, an additional surgery may be performed to address them.
◆今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①植皮の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出
③糸やワイヤーの露出
④傷跡が目立つ
⑤薄毛・脱毛
⑥長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
⑦長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。
上記のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、
不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。
Hills Aesthetic and Cosmetic Clinic and its affiliated companies hold the copyright for the text, photos/images and illustrations, etc. on this blog.
Any reproduction, quotation or use of the contents of this website without permission is prohibited.
※ブログの文章、写真画像、イラスト等の著作権はヒルズ美容クリニック及び関連会社が保有します。
許可なく無断複製・引用・使用を禁じます。
Surgeon: Seiichi Maruyama (plastic surgeon, Hills Aesthetic and Cosmetic Clinic)
Assistant: Yasuyo Nakashima (plastic surgeon, Narita Tomisato Tokushukai Hospital)
執刀医/丸山成一 (ヒルズ美容クリニック)
助手/中島康代 (成田富里徳洲会病院) 藤原廉(成田富里徳洲会病院 脳外科)
施 設/成田富里徳洲会病院
2022年10月18日
デブリードマン(壊死組織除去; debridement)
永田先生が耳介再建を行い7~8年後してから、
1年に1回、炎症と排膿を繰り返していた症例です。
外耳道(皮膚成分)が部分的に残っていたためか、
はっきりとした原因がわからない状態でした。
また患者さんはもともと心疾患もあるため、
感染性心内膜炎や敗血症のリスクもあり、
今回は根治目的で、脳外科医と何度も検討を重ね下記①〜③のプランをたて手術を行いました。
①全て除去
②眼鏡とマスクだけをかけれるようにするために、一部だけを残し除去
③永田先生が再建した耳介をできるだけ温存して治療

耳珠の皮膚を残すようにして赤いラインで切開しました。


CT画像を確認しながらの手術です。


術中所見ですが、
内部に外耳道(皮膚成分)が残っていて、
ここに垢がたまり炎症を繰り返していた原因と考えられたので摘出。
その下にもともとあった耳の軟骨(遺残軟骨)がありこれも摘出
さらにその下に隠れるように細くなった外耳道の続き(皮膚成分)がありこれも摘出しました。
一部は顕微鏡下で脳外科医とともに摘出しました。
摘出した後は、中に膿がたまらないようにスポンジを挿入して吸引しています。
局所陰圧閉鎖療法です。
こうすると膿がたまらずに肉芽が盛り上がり創傷治癒を早めてくれます。
↓スポンジを装着したところ

↓スポンジを吸引した状態。

なお手術では顔面神経を傷つけないように、
神経刺激装置を使用して安全に行えました。
今回は脳外科の先生の協力、
「永田先生が再建した耳介をできるだけ温存したい」という思い、
そして何より患者さんの思いを受け、
永田先生が再建した耳介を温存して治療することができました。
丸山成一
★入院中の様子はこちら→ 『小耳症治療の様子』
Cases presented here are to help you understand microtia surgeries. The results vary by case.
※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。
Complications after microtia surgery:
Pneumothorax (1 out of 2000 cases), alopecia, partial necrosis of skin flap, partial exposure of costal cartilage grafted, skin graft failure due to congenital poor blood circulation of superficial temporal artery and vein, etc.
In the event such complications arise, an additional surgery may be performed to address them.
◆今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①植皮の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出
③糸やワイヤーの露出
④傷跡が目立つ
⑤薄毛・脱毛
⑥長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
⑦長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。
上記のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、
不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。
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