耳は3次元的に、複雑な形をしている。
耳の軟骨の複雑な形を、それと全く同じように3次元的に生きた皮膚が覆っている。
小耳症手術の場合は、
4本の肋軟骨を用いて、削ったり組み合わせたりして
耳の形の3次元肋軟骨フレームを作成し、
これを、皮膚の表面積が、
3次元的に、ぴたりと一致して
しかも、生きた皮膚のままで、カバー出来なければならない。
皮膚の表面積が不足する場合は、
肋軟骨フレームと皮膚との間に、
特に陥没部に、密着しない空間が出来る。
移植肋軟骨フレームを生かすためには、
生きた血の通った皮膚で、多い尽くさなければならない。
血の通っていない肋軟骨の上に
直接、体のほかの所から持ってきた血の通っていない皮膚を,移植しても、生着しない。
正確な立体構造の3次元肋軟骨を作成する事も、
それを同じ形の生きた正しい皮膚表面積でカバーする事も、
両者とも、非常に困難な事である。
特に、そもそも、耳が小さい状態が、小耳症であるので、
正常皮膚の表面積がもともと不足しているのだ。
通常の耳垂残存型小耳症では、どんなにがんばっても
そこに存在している皮膚の表面積は、耳の表をカバーするので、精一杯なのだ。
だから、2回目の、耳立て手術が必要となっている。
ましてや、
ローヘアーラインや、無耳症では、耳の表をカバーする皮膚の面積ですら不足している。
だからこのような症例では、全く別の手術が必要となる。
これらを即座に見抜けないと、とんでもない結果が待っている。
術前の形態がそれぞれ異なっているのが小耳症なので、
それぞれの形態により、
手術法が、皮膚の表面積を獲得するために
応用をきかした千差万別の方法となることが当たり前なのだ。
だから、困難な手術となっている。
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