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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

耳は体表の中で、形態が最も複雑な形をしている。

だからこそ耳を再建する事は、形成外科分野でも最も困難な手術である。

世界中からおびただしい数の論文が出ている分野であるのは

それこそ正常な耳を作る事が困難だったからである。


耳の正常な形態を、すべて省略することなく再建できる方法は

1992年1993年の私の論文が、アメリカ形成外科学会誌に6論文を載せてからだ。

それからさらに数多くの耳の再建をこなしており

総計、1800をはるかに越える耳の再建を行ってきた。


小耳症と一言で言っても、手術前の形態は

患者さんごとに、それぞれ異なっており

最高の再建結果は理想の耳と言う一点にあるから、

手術法は各個人ごとに異なってくる。


しかも、小耳症は、実にデリケートな手術を必要とする手術である。

現在、世界中で、年間の耳の再建手術件数は当院が最も多い。


左右対称な耳を作るためには、事細かな基準と理論に基づき

確かな芸術的しかも科学的な手術の腕を毎週磨き続けなければならない分野である。

永田法の手術時間は8時間を2回要する手術である。

それで完全な形の耳となる。

タンザー法やブレント法などの従来法なら3時間手術を、3回か4回行っていたが、

それでもまともな耳にはならなかったのだ。


耳の再建手術の医師の腕の維持には

年間100例以上の手術件数が必要なのだ。

しかしその数を上回るところは、国内では当院以外に無い。


なぜならば、出生件数が、日本中で多く見積もっても130件くらいしかないからだ。

当院ではかつて他院で手術を受けたものの不幸な結果となり

耳の作り直しを求めて来院される方も多いために

昨年の永田小耳症形成外科クリニックでの

年間耳再建の手術件数は136件ともなっている。















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