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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

今からおよそ30年前のことだ。


毎日毎日、人の耳を見ては、スケッチを繰り返していた。

前から、横から、後ろから、斜めから

正常な耳の形態を、立体的に認識するまで

すなわち耳を見なくても

あらゆる角度から正確な形態が描けるようになるまで

執拗な訓練を続けた。



これを繰り返えせば繰り返すほど、

軟骨の形態と、それをカバーしている皮膚の必要面積との関係が、

痛いほど理解できるようになった。


当時、私は

小耳症に対して世界中で行われていたタンザー法で再建された耳介を

何度も見ては、正常な耳と比較していた。


正常な耳の細部構造の精巧さを100点とすれば

耳垂残存型小耳症に対し、

タンザー法で再建された耳の内で、

最も最高の出来栄えといわれる世界中の文献を探して見て、

私の判断では、どう見ても30点しか与えられない結果だった。


この判断を下した時点で、

タンザー法が、不完全な手術法だ。という事が

私の中で確信できた。


ならば、正しい方法を開発する必要がある。

と、ごく自然に私は直感した。


これが、永田法の開発に取り掛かるきっかけだった。



















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