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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

この10年の間に、いろいろなことが重なった結果

日本では医療崩壊が起きた。


自民党政権下の小泉改革以来

国が医療機関に支払う費用を、この10年安くし続けたために

赤字病院がどんどん増加して倒産し続けた。


その結果、救急医療は東京の中心であっても

患者さんの、たらいまわし問題がニュースになるようになった。


ましてや地方公立病院は、増加した赤字補填を地方が払うことが不可能な額となり

地方公立病院が閉鎖に追い込まれるところまで続出した。


また、大学医局中心だった研修医制度を改め、国が新たな制度に変えたので

大学を卒業した後の研修医師が都会へ集中するようになり


地方大学は卒業生が大学へ残らなくなり、大学自体の医師不足となった。

その結果、大学から近隣の病院へ派遣していた医師を

大学へ呼び戻すことになった。


そのため、地方公立病院では、ますます医師不足となり、

もともと赤字だった公立病院ではさらに赤字が増加した。


昨年、自民党政権から民主党政権に変わり

医療費の削減を行わないようになったものの

ほとんど医療費は、増加しなかったため、相変わらず医療崩壊は改善していない。


救急医療に限らず、小児科や産婦人科医師の不足問題がニュースに取り上げられてきた。

更には、外科系へ進む若い医師達が激減して来たために

外科系全般的に後継者が少なくなり、10年後には、外科医師の数が激減して

国民が手術を受けたくても、すぐには受けられなくなるだろうと言われるようになっている。

一人前の外科医を養成するのに10年以上を必要とするからだ。

外科医を養成するためには費用がかかるが、

その費用を病院が捻出できないほど

国の医療費が削減されすぎている事が最も大きな原因となっている。


形成外科分野も例外ではなく、卒後早い時期に形成外科の手術研修をやめて

手術を行わなくてもすむレーザー治療分野へ転進する若い医師たちが激増し

美容外科開業者が激増した。

それぞれの美容外科医同士で競争が激化し、倒産するところが増加した。


今後は、老人の割合が世界で最も増加し続ける日本であるから

医療費の増加は避けて通れない。

しかも現在の医療崩壊が深刻さを増している。

赤字を抱えれば抱えるほど病院は多くの医師を雇えなくなった。


そのため一人当たりの医師の勤務時間は、とっくの昔から労働基準法をはるかに越えている。

その結果、過労死を起こす医師が続出したが、改善されることはなく

黙認され続けてきた。


あまりにも過労が重なった結果、ミスがおきやすくなるが、

ミスを起こすとすぐに責任を問われ、マスコミは騒ぐが、

医師の過重労働問題はクローズアップされることは少ないままだった。


このような事を医師が訴えようとしても、誰も聞く耳を持たなかったため

若い医師たちをはじめとして、医師自身が自分の命を守るためもあって

過重労働を行わなければならない病院から

ただ黙って立ち去らざるを得なくなった。


まず、日本国内の医療崩壊は

この深刻な「立ち去り型医療崩壊」から始まって、

次に「医師不足型医療崩壊」「看護士不足型医療崩壊」

更に、現在の「経済崩壊型医療崩壊」へと進んでしまった。


ちなみに日本の医療費はアメリカの20分の1、フランスの10分の1しかないのに、

同じレベルの医療を、医師や看護士の過重労働の犠牲のもとに

行っていたが、それがついに極限を越えて崩壊したのだ。


日本が消費税5パーセントに対して

フランスをはじめとしたヨーロッパでは消費税は20パーセント以上だから

医療費を捻出できている。


アメリカでは消費税は安いが医療費が高すぎるために

医療を受けられない層の人たちが30パーセントとなっている。

その代わり常に医療技術の進歩は世界1となっている。

日本の医療はアメリカの最先端から30年遅れた分野が多い。


国民はどのようなレベルの医療を望むのだろうか?




















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