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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

金曜日、手術が終わったあとしばらくして、
ナースの I さんが医局へやってきた。

だまって立っている。

「え、どうしたの?何か?」
と聞くと、
「はい・・・」と言うのである。

「怖い、何の話?」といいながら医局の外へ出た。
胸がドキドキ、顔が引きつってきた。
「実は・・・」
あした院長の誕生日で、今みんな歌の練習してるから、
今院長が2Fへ来たら困るんです、と。

なんだ、じゃあさっきの質問は、そうだったのか。
さっき2Fで誰かが院長に
「先生、最近の曲で何が好きですか」と聞いていた。

院長は「パバロッチのオーソレミヨ」だ、と言ったので、
私が「松田聖子の青いさんご礁でしょう」と叫んだのだ。

でも、 I さん、さっきの態度じゃ、何かあるってばればれジャン。
案の定、医局に帰ると院長が、
「何の話だ」と聞いてきた。
「何でもありません」と話題をかえると、不機嫌になり、
「お前達は何時もそうやって陰で色々言っている」という。
面倒なので、
「女の秘密の話です」といっておいた。

翌日、回診が終わって院長が1Fに下りようとすると、
師長さんが、そわそわしている。
子供達が廊下にずらりと並んでいる。
椅子がひとつおいてあり、
「ちょっとだけでいいからすわってください。」というと、
院長は怪訝な様子で、
「外来で患者がまっとるんだ!」とおこっていた。

椅子に座って、子供達が
「青いさんご礁」を歌い始めたら、
案の定、院長はめがねをはずして、目をぬぐっている。

私はナースステーションで、
「やっぱり泣いた!」とつぶやいた。

院長、これだけで、また来年の誕生日まで、頑張れるね。

なんて素敵な話しなんでしょうその場に私達も参加したかったです~

院長先生が涙…想像出来ないです…

2010.09.05 00:47 URL | しりゅうママ #- [ 編集 ]













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