
関東地方の某病院で組織拡張法による小耳症の耳介再建手術を受けたが
患者さんはこの結果に納得せず、耳の再々建手術を希望して本日を迎えた。

再建された耳は立っておらず、耳の後ろには、色調が異なる皮膚が移植されている。
側頭部と耳の後ろの皮膚移植部には縫合した糸の瘢痕が目立つ
また、乳突洞部の縫い寄せた瘢痕が目立つ。

立っていない耳をピンセットで無理やり立ててみると、
色調が異なる皮膚がこのように移植されており、再建耳介の裏の側頭部は陥凹している。

耳の再々建手術のデザイン。

移植されていた肋軟骨フレームを摘出し耳垂表側皮弁を作成した。
また、耳垂の後面に皮下茎皮弁を作成した。

左が、摘出した移植されていた肋軟骨フレーム。
中は、新たに作成した永田法の3次元肋軟骨フレーム。
右は、型紙。
両肋軟骨フレームの形態の違いに注目。
摘出した肋軟骨フレームの幅が広すぎる。

新たに作成した永田法の3次元肋軟骨フレームを移植し直して、
耳垂裏面皮下茎皮弁を耳甲介部へ移動して耳甲介の皮膚表面積を拡大したので
耳介細部まで十分に被覆できたことで耳介の輪郭が表現可能となった。
半年後には、30度の角度で耳を立てる手術を予定している。
その際に、耳の後ろに移植されている色調が異なる皮膚を切除して
耳の後ろに耳を支えて立てるため厚さ1センチ5ミリの半月状の肋軟骨ブロックを作成して移植し
それを生かし、なおかつ耳介の血行を良くするため
頭から起こした血管膜で耳の後ろを被覆し、
さらにその上に側頭から薄く採取した皮膚を移植すると
耳の後ろも色調が良好となり、耳の後ろの側頭部の陥凹もなくすことが出来る。
その1
このブログの写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。
小耳症手術による合併症
一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎
縫合不全 ハゲ 床ずれ その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。
その2
このブログの写真は耳介形成術をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。
それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。
耳介形成術による合併症
感染、 縫合不全 その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。
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