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小耳症(永田法)の軌跡と新たな出発

永田小耳症形成外科クリニックは、院長・永田悟医師の逝去にともない、令和4年1月に閉院いたしました。このブログと、永田法による小耳症手術は次世代に引き継がれ、現在も行われています。小耳症手術をご検討の方は、ぜひご覧ください。

Secondary reconstruction for microtia 9/August/2022
小耳症(右耳)の耳立て修正手術

Surgeon: Seiichi Maruyama (plastic surgeon, Hills Aesthetic and Cosmetic Clinic)
Assistant: Yasuyo Nakashima (plastic surgeon, Narita Tomisato Tokushukai Hospital)

執刀医/丸山成一 (ヒルズ美容クリニック)  

助手/中島康代 (成田富里徳洲会病院)

施  設/成田富里徳洲会病院

2022年月8日9日

小耳症(右耳)の耳立て修正手術


今回の症例は永田先生が耳介挙上術まで行いましたが、

「耳たぶの形をもう少し綺麗にしてほしい」

「耳のくびれがなく、眼鏡、マスクがかけにくい」

ということでしたので、

以上の2点を修正することになりました。

右小耳症修正_20220809_1

耳垂に凹凸を認めます。

右小耳症修正_20220809_2

上からみると耳の立つ角度が鈍角になっていてくびれがありません。

右小耳症修正_20220809_3


右小耳症修正_20220809_4

デザインです。

右小耳症修正_20220809_5

耳介挙上術に使用した軟骨ですが、しっかりしたものが挿入されていました。

しかし奥まで挿入されていませんでした。

永田先生には直接聞けないのでここからは推測ですが、

おそらく外耳道を認めたため、裏側から外耳道が過圧迫になることを避けるために、

軟骨を奥まで挿入しなかったのではないかと考えました。

そこで挿入されていた軟骨を取り出し、

外耳道に圧迫がかからないように細工し再挿入しました。

右小耳症修正_20220809_6

耳垂もあわせて修正しました。術直後で腫れていますが問題ありません。

右小耳症修正_20220809_8

植皮も必要なく無事終えることができました。

右小耳症修正_20220809_7

最後に術前と術後を比較するとよくわりますが、

耳の後ろのくびれは再建されています。

また外耳道も問題ありませんでした。

右小耳症修正_20220809_9

*術直後はこのように腫れて輪郭がはっきりしませんが、時間の経過とともに改善していきます。


なお小耳症手術では、

永田先生が永田法で行った症例でも、

聳立(耳の立ち具合い)やくびれが不十分な場合もまれにあります。

そのような場合は、永田先生自身も修正をされていましたので修正します。

また他施設で行った症例でも同じように、

「あまり耳がたっていない」

「だんだん倒れてきて眼鏡やマスクがかけられない」

などで修正を希望される方は丸山までお問い合わせください。


丸山成一


★入院中の様子はこちら→ 『小耳症治療の様子』

Cases presented here are to help you understand microtia surgeries. The results vary by case.
※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。
  
Complications after microtia surgery:

Pneumothorax (1 out of 2000 cases), alopecia, partial necrosis of skin flap, partial exposure of costal cartilage grafted, skin graft failure due to congenital poor blood circulation of superficial temporal artery and vein, etc.

In the event such complications arise, an additional surgery may be performed to address them.


◆今回の手術の術後合併症

■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。

■その他の合併症
①植皮の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出
③糸やワイヤーの露出
④傷跡が目立つ
⑤薄毛・脱毛
⑥長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
⑦長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。


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